あいつが悪い 激しかった営みも終わり、簡単に身を清め、微睡んでいる時だった。兄弟が発した一言で、その場の空気が変わってしまった。
「兄弟、今日も可愛かったぜ。」
「…お前の方が、可愛い。」
「何言ってるんだ、俺の下で喘ぎ声上げてる兄弟に勝るもんはねぇよ。」
「…いや、俺に“もう一回ダメか…?”とねだってくる兄弟の可愛さに勝るものはないぞ。」
ソハヤはよく俺に可愛いと言ってくる…いつもならば軽く流すか、受け入れる。しかし、今日はいつもと違った…いつもに増して兄弟の表情が可愛かったんだ。あの真ん丸な目でじっ…と見つめられたら“はい”以外の選択肢は存在しない。だから、つい強めの口調で反論してしまった。
先程の穏やかな空気はどこへやら…殺伐とした空気へ変わっていくのを肌で感じ取られるほどだった。
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