マッサージ師見習いデンジ×サラリーマンアキ 思考がとろけていく。身体の感覚をただ受け入れることしかできない。
「んん…ぁ…っ…ゃ、あ……っ!」
自分からこんな声が出るとは思わなかった。
「ん、んぁ………、ゃ、ちょ待っ、痛"っ?!いた、いたい痛い、い"っ…………!」
「あ〜、ここ痛いッスよね〜」
容赦なく男の手がアキの柔肌を揉みしだいた。白を基調とした密室には悲痛な声が響いていた。
そりゃ、マッサージ店ですから。
自宅の最寄駅から徒歩3分、とグーグルが示した地図の上に、この街唯一の鍼灸院があった。
早川アキはどこにでもいる普通の会社員であった。だいたいの会社員が慢性的な腰痛、肩こり、頭痛、目の奥痛を抱えているように、アキもまたそうだった。それを見て見ぬフリをしてにして仕事に精を出していたのだが、ついに目を背けるわけにはいかなくなってしまった。
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