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    くこ。

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    くこ。

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    景風ワンドロワンライ
    テーマ/前髪
    45分で書けました!!
    やったぁ!!
    メターなネタで失礼します!

    #景風
    jingfeng

    そこに映える、終わらない。
    終わらない書類業務にイライラと諸伏は髪をかきあげた。
    担当のヤマでのまさかの珍事にそんなことも想定内だと仕事をするのが自分たちなのだと思いつつもパソコンの前で唸ってしまう。
    鬱陶しい。
    そうきっとこの鬱陶しい前髪がいけない。いつもは眉を隠すか隠さないか程度の長さの髪が切りどきを逃しちらちらと目にかかる。
    普段から長めの髪型をしている者ならそれなりの整髪剤を持っているのだろうが、生憎諸伏の手元にはそんなものはなかった。

    「諸伏、」

    そんな中、隣で同じく作業に勤しんでいた風見より声がかかり手招きされた。
    うん?と首を傾げつつも風見からの声かけなのだ。
    嬉々として椅子ごと近寄った。

    「そのままじっとしていろ」

    風見の手が諸伏の頭に触れる。
    え、職場でそんな風見さんが大胆なこと……?
    と胸が高鳴る諸伏を余所に風見の手は諸伏の前髪を撫で梳き。ぱちり。

    「よし。これでどうだ?視界良くなっただろう?」

    にこにこと愛らしく微笑む風見につられて諸伏も微笑む。
    そして確かに視界は良くなっていた。
    文房具でまとめられたりでもしたのだろうか。
    それでも風見が自分を気にかけてやってくれたことには違いない。
    礼を言いつつ後で確認して大事にしよ、そう諸伏は思った。

    「さて!続きだ」

    声を弾ませ画面に向かう風見に不思議になりながらもながら気分転換された諸伏も続きをとパソコンを見やった。

    「っ!」

    偶然だった。画面にうつる自分が見えた。

    想像通り風見により前髪を留められた己の姿。

    でもこれは想定外だ。
    その留めてあるものは、風見自身の顔を模したチャームをつけたクリップ。
    そういえば、広報の関係でとそんなものも作っていたのだったっけ。

    「風見さんっ!!」

    実際には大声ではないけれど、隣席に言うには十分な声で呼び。見やった風見に「こ、れ!」と己の髪の先を指差し音以上に大仰な口の動きで驚きを伝えた。

    「なんだ。もう気づいたか」

    悪戯に成功した、というよりただただ嬉しいと笑みを深くして風見は諸伏を眺めた。

    「前髪のない風見さんにそのグッズ?なんて散々言われたんだけどな」
    「男前の髪に留まれるなら、作ってもらって良かった」

    見ていた。ただずっと。

    「嫌じゃないならそれ諸伏にやるけど、どうする?」
    「ください!!ほしいです!!」

    あぁなんでここは職場なんだろう!!
    (職場だからしてくれたんだけど!)
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    くこ。

    DONE九尾狐降+猫又景×人間風/プリクラ②
    右風開催おめでとうございます。
    なだちさんのイラストにおつけいたします小説(諸伏編)
    降風&景風なのですが、普段景風を書いている身のため。
    景風要素高めです。
    2022/12/16
    愛すべし可愛い人を「っ諸伏。……このこと、降谷さんには言わないでくれ」
     恥ずかし気に目元を淡く染め風見さんがオレに頼みこむ。眼鏡の奥、風見さんの瞳に写るオレが口角を上げる。

    『往生際が悪いぞ、風見』
    『無理です。勘弁してください……!』
     先日の風見さんの休日。たまには三人で出かけよう、と決めていたその日。
     三人で共に暮らすその家の日用品を買うだとか、ヒトの波を見るだとか、そういったことを楽しんだ後まるで今通りがかった偶然なのだとばかりにゼロが『あれがプリクラか』と声を上げ、『せっかくだから、三人で撮ろう』と提案した。それに反対したのは風見さんだった。
     最初は『男だけの団体でこういう店は入れないんですよ』と常識や則で説こうとしたがゼロは神格高い霊獣、九尾の狐だ。『僕が君たちと行きたいんだ。行けないわけがないだろう』ときょとんと小首を傾げ入っていき、それはゼロの力で人の則が一時的に歪んでいるのだけれど。ゼロにとってそれは呼吸に等しく故に、できるのが当然だ。こともなげに進んでいくゼロに顔を青ざめた風見さん、そんな風見さんをあやすようにオレが苦笑しつつ進んだ。……余談ながら、ゼロほど簡単ではないけどオレにもできるだろうとは思いつつ、とはいえ撮られたくない風見さんに強いてまで行きたいわけでもないよなとは考えていた。そもそもオレ自身、人の社会で普通に会社勤めをしているヒトの風見さんを専業主夫状態のゼロとは違う方向からサポート、と言えばいいだろうか。ちょっとした妖たる力で風見さんの会社に雇われてもいないのに『風見さんに懐く後輩社員』だと認識されるようにし『働いて』いるわけで、やりようでできるかとは思うのだ。
    1947