その色をもって「この寒いのに北海道?おまえ何かと行かされるよねなんかあんの?」
明朝の行き先を告げると、五条はシーツに包まったまま目だけをこちらに向けてくる。落とした照明に構わずやたらに煌びやかな目が、かちりとこちらを捉える。
「身に覚えはありませんね」
タオルで髪を拭きながら、ベッドに腰掛ける。顔を寄せるとふふとやわらかく空気が揺れて、思う通りに唇に触れることが出来た。ぺろと悪戯に下唇を舐め上げていった人の頬に、七海の前髪からひとしずく落ちる。拭う指先を捉える五条の手があたたかくて、そろそろ風呂に運ばなければ、眠ってしまうかもしれないと思った。
「ふうん?まずはバターサンドでいいよ」
「チョコレートも?」
「あ、まってまって」
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