逢魔が時にはご注意を。 とある本丸の審神者は初老の男。その男の元にきた血縁関係のない少女の話。
審神者の男と刀剣男士たちに囲まれた育った少女は、品が良く手先も器用な逞しい子に育つ。ただ、誰に似たのかとても『イタズラ』好きで伊達組の男士たちを特に気に入っていた。なので少女が学業で外に出るときは伊達組を護衛につけた。
審神者の家に住む者。時間遡行軍に狙われる恐れがあるからだ。
少女が高校生になったある日。
近侍の初期刀が男を急いで玄関に呼びに行く。普段雅に拘る『彼』が血相を変えて、男を引っ張り玄関にと。
玄関には遠征や出陣以外の男士達が集まっている。中心には伊達組と薬研藤四郎。そしてその日の護衛当番の太鼓鐘と少女がボロボロ姿でいた。
太鼓鐘は重症手前。少女は傷だかけだが重症になる物はない。男は近寄り『何があった?大丈夫か?』と少女に駆け寄る。
少女はにやっと誰かの様に笑いガッツポーズを決めて「大丈夫。男さんの貞ちゃんは守りきったよ!!」といつものそこ抜けた明るい声で言う。長く美しい髪が、一部ばっさりとない。
男はこう言う時にどうすればいいか狼狽えるも、少女は「貞ちゃんを手入れ部屋に、男さんの顔やみんなの顔見たら、気が抜けちゃったよ。寒気と恐怖が来ちゃった。らんちゃん温めてー!!」っとそばで心配してる乱藤四郎に抱きしめる。乱は「もー!仕方ないなぁ」と少女を抱きしめて背中を擦る。
少女体はガクガクと震えていた。
男は少女が落ち着くの待って話を聞く事に。護衛の太鼓鐘からも聞きたいので手伝い札を使い自分の書斎にと呼ぶ。少女は傷の手当と身支度を整える。先に来た太鼓鐘が何言いたそうだったが男は少女が来るまで待つようにと。傷の手当をして身支度を整え、誰かがやってくれたのだろう、少女の髪は短く整えられていた。
それは夕方、逢魔が時。
少女は帰宅途中に時間遡行軍に襲われた。槍、大太刀二本、打刀一本。こちらは太鼓鐘のみ。余りにも力の差がある。
二人は戦うことを選ばず逃げることにするも、槍が手強く、先回りされて大太刀に囲まれる。太鼓鐘は少女を守るべく立ち向かうも力の差で軽症、中傷、真剣必殺と残りは槍と大太刀一本。
ボロボロになりながらも自分を守り「逃げろ!」と叫ぶ太鼓鐘。少女は首をふる。
「逃げてくれ!お嬢に何かあったら主が悲しむ!」
「貞ちゃんに何かあっても、悲しむよ!!私はもう、みんなの悲しむ顔を見たくない!!」
震える足でよろよろと立ち上がり、少女はカバンから布にくるまれた小刀を取り出す。
「人間がコイツらと戦える訳ない!逃げてくれ!」
悲痛に声を上げる太鼓鐘の前で、少女は小刀を「たった一度きり。今がたぶん、その一度きり。お願い、答えて。私に力を貸して鶴さん!!」強く握りしめて叫ぶ。
「鶴さんがココにくるはずないだろ!!」
太鼓鐘は叫ぶも少女に驚く。
小刀は一振りの太刀にと変わる。
少女のそばにフラリと『白いあのイタズラ好き』男士が透けて現れる。男の本丸では見たことない姿の『白い男士』。男士は少女の頭を撫でて何か呟き、困った顔をして男士は少女に太刀を持たせた。
太鼓鐘は「鶴さん?」とその『男士』の名前呟く。『男士』は鞘が無いが刀も太鼓鐘がよく知る鶴丸国永だが、服装だけが違う。
「さぁ!大舞台の始まりよ!!」
少女は刀を構えて、声高く叫び、残りの時間遡行軍を鶴丸国永の様な身軽な動きで仕留めいった。
その日の出来事を少女と太鼓鐘が男に話す。話が終わると少女はそのまま昔話をした。
少女は男以外の本丸を知っていた。
その本丸はもう無い。解体された。審神者もすでに故人。
その本丸で少女は鶴丸国永によく遊んでもらった。解体される前に、その本丸の審神者は極の鶴丸国永を刀解させて刀身を少女に守り小刀にと託した。
少女に何か起きた時に助けて上げてと。
男の書斎のテーブルには少女が持っていた小刀。刀は先の戦いで刃こぼれしただの小刀になっていた。
「お嬢からは鶴さんと似た気配がしたけどけれだったのか」
「………鶴さんは『大きくなったな、君にはいつも驚かされたが、まさかこんな事になってるなんて、こいつは驚きだ。さて、どうしたものかね?』って。これきっりだとと鶴さんは私の体に憑いて『こいつはいい。ずいぶんと他の奴らに鍛えられたな!』って笑うなり時間遡行軍を楽しそうに倒してくれました。」
「そんな話ってある?」
太鼓鐘は少女を見て言う。ただ、男は少女が伊達組と仲が良く、大倶利伽羅の扱い方も上手かったのもあり嘘ではないなぁっと。
その後、少女は男の本丸で審神者見習いと手伝いとして刀剣男士と男を支えた。
時々、男に刀剣男士達から鶴丸と彼女のイタズラの苦情がはいったとかないとか。
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一発ネタです。ただ、頭に降ってきたネタをそのままアウトプットしました。
細かい設定は特にないよ!
たまたま引き取った少女が実は極の刀剣男士が刀解された刀を守り小刀として持っていて、たった一度きりだけどその力を使って時間遡行軍をケチらせて欲しいなぁーっとというネタ。そんなことやってくれそうなのは『驚かせ爺の鶴さん』だけだなぁwっと。