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    貴族ローさん×庭師少年ゾロくんのネタその⑤

    剣と魔法のファンタジーっていいよね⑤貴族ローさん×庭師少年ゾロくんの続き。
    メイドイン私の物語は基本地獄を経由、幸福行きです。御乗車の方はご了承の上、お楽しみください。
    ところで、このネタツイで自分の「嘔吐(するほどのストレスをキャラが感じることに)萌え」というクソみたいな性癖を知りました。クソすぎる。ごめんローさん、ごめんゾロくん。
     

     理性のかけらもない、欲望と性に塗れて焼け爛れたような夜を過ごして、自分のしたことに茫然自失となるローさん。吐いたせいで口の中は気持ち悪いし、汗と体液で体も汚れてる。かわいそう~かわいい~。まあ、ぶっちゃけローさんは被害者なんだけどね。状況的に見ると明らかゾロくんの方が被害者に見えるから、もう、本当に最悪の気分だろうね。
     震える手でゾロくんの体に触れて、必死で汚れたシーツで清めようとしてくれるけど、汚れた布じゃ綺麗になんて出来ない。そもそも生まれた時から貴族であるローさんは世話をされるのに慣れきってる。軍属でもあるから自分の事は自分で出来るけど、誰かの世話をする事なんて今まで一度もなかった。
    「おれは、…こんなに簡単なことも、できない」
     ベッドの上に意識の無いゾロ君が横たわって、ローさんはベッドの下に跪く。まるで神様に祈るみたいな、神様に裁かれる罪人のような姿勢で動けなくて、その内ペンシャチが小屋にやって来る。
     惨状に言葉もなくて、でも現状から大体を察した(それが正解かどうかは別として)二人の手で夜の蛮行は綺麗に隠蔽されて、ローさんは部屋へと戻る。
     ローさんが「ゾロ屋はおれの側に置く」と言ってきかないし、抱き上げたまま離さないので、ゾロくんもローさんの部屋に連れて行かれる。
     ローさんの部屋、続きの間にバスタブがあるのでそこで二人とも体を洗って、新しい服を着てカーテンを閉めたままの寝室に放り込まれる。
    「何がどうなったってのは、あとで聞きます。とりあえず少し休んでください。……ロロノア、隣の部屋で預かりますか?」
     ってペンギンに言われて、少し考えて首を横に振るローさん。
    「手放すのが怖い」
     その返事に(あ~~~~不健全な気配がする!大丈夫?!ローさん大丈夫だよね?!)って思いつつ、基本的にペンギンお兄さんはローさん至上主義なので、「わかりました」って下がる。
     誰もいなくなった部屋の中で、しばらく目を覚まさないゾロくんの髪を撫でる。やがてしっかりとその体を抱き込んで、スイッチが切れたようにローさんは眠った。

     そして、次に目を覚ますと昼を少し回った頃。睡眠はちっとも足りていないし頭が重いけど、寝てもいられないな、と体を起こしたローさん。
    「……ゾロ屋?!」
     そして上がる絶叫。
    「どうしました!?」
     扉が吹っ飛ぶ勢いでペンギンが入ってくる。
    「ゾロ屋がいない!」
    「……え? えーっ?! なんで?! おれずっと部屋の前に居たんですけど?!」
     隣に、というか抱き込んで寝ていたはずのゾロくんの姿はベッドの上に跡形もなくて、ローさんはベッドから飛び降りて部屋着のまま外に飛び出そうとする。それを何とか宥めてせめてこれ着て!ってシャツとスラックスを身につけさせるペンギンお兄さん。気分は子育て。

     あ、そういえば言い忘れてたんですけど、このローさん十九くらいです。
     先日、うぇぼで「何歳くらいですか?」と聞かれて考えました。
     ヒゲは割と最近ちゃんと生えそろわせて整えられるようになりました。十五くらいで家督を継いで当主になったせいで、歳若さから侮られまくってたので、せめて見た目から、ってひげをはやした。そんなローさんをペンギンとシャチは「か~~わい~~~♡」って思ってるし、「おれたちのローさんを舐めるとは…死にてェらしいな?」と侮ってきた奴らの顔と名前を全部覚えている。
     ローさんが生まれた時から傍にいるので、不敬だなと思いつつ弟のようにかわいがっているので。

     そんなこんなで、よれよれではあるけど、とりあえず服を着て外に飛び出したローさん。まず庭師小屋に向かった。もしかしたら前のようにそこで気絶してるかもしれない。絶対に体が痛むだろうし、普通の状態ではないのに。
    「ゾロ屋!」
     でも扉を開けてもそこには誰もいない。窓が開けられていて、シーツも何もかもが変えられた小屋の中は、夜の中で行われた凶行をすっかり忘れたように見える。
     いない? ここじゃなかったらどこへ? まさか、まさか——屋敷から出ていってしまったのか?
     真っ青になるローさん。
    「いや、落ち着け、ゾロ屋が他に行きそうな場所、ええと、どこだ、どこ、…、裏庭? っ、裏庭か!」
     あの場所は妖精が集まりやすいのか、ゾロくんがよく夜にいた場所。妖精の愛し子であるゾロくんがボロボロの状態で体を休めるなら、そこしかないように感じて、走り出すローさん。
     ここから裏庭に行くにはバラ園を抜けていくのが近道で、そちらへと向かったローさん。バラ園ではいつも様々な種類のバラが咲いていて、庭師がそれを剪定して手入れしているのが見えた。
     ローさんは決して非道な主人ではないけど、使用人は風景の一部であるという意識がもちろんある。そう思わんと暮らして行きにくいのもあるけど。
     だからその時も庭師がいることなんて、空に太陽があるな、くらいにしか思わなくて通り過ぎようとした。
    「っは?!」
     でも麦わら帽子を被ったその庭師の横顔がちらりと視界に入って、ローさんは急停止。あんまりに勢いがついていたせいで、変な止まり方になってその場に思い切り転んだ。
     庭師は剪定したばかりの真っ白いバラの花を手に持ったまま、びっくりした様子で転んだローさんを見る。鈍色の瞳がまんまるに見開かれて、ぽっかり口が開いている。
    「ゾロ屋!」
     その庭師はゾロくんだった。
     慌ててバラと鋏を置いてゾロくんがローさんに駆け寄ってくる。少し体を動かしずらそうなのが見て取れる。
    「……、………?」
     りょうしゅさま、だいじょうぶ?
     ローさんのそばに膝をついて心配そうな顔で口を動かしたゾロくんに、ローさんは混乱する。帽子をとったゾロくんの緑色の髪が陽に透けてきらきらしていた。
    「ぞ、ろ屋……ゾロ屋、おまえ、なにしてるんだ」
    「?」
     ゾロくんはローさんの問いかけにきょとんと首を傾げる。そしてバラの垣根を指さして人差し指と中指で鋏を作って、ちょきちょき、と切る真似をする。バラの剪定。おしごと、とゾロくんが口を動かす。
     仕事? 仕事、確かに今日から仕事に復帰する予定だとは聞いていた。でも、昨晩のあれは? あんな夜を過ごして、どうして今、普通に仕事をこなそうとしている? ゾロ屋が屋敷から消えていなくてホッとした。でも、でも、こんなの、おかしい、おかしいはずだ。
    「体が辛いだろう? 今日は休んでいい、おれと部屋に戻ろう」
     手を伸ばしてゾロくんの手を握る。するとゾロくんは困ったように微かに笑って首を横に振った。そしてローさんの手を優しく解くと、オーバーオールのポケットを探って小さなメモ帳と鉛筆を取り出した。それはゾロくんが療養中にシャチにお願いして買ってきてもらったもので、ちゃんとゾロくんがお金を払ってる。
     メモ帳にさらさらとゾロくんは何かを書き記して、そしてそれをローさんに見せる。
    『お仕事はしなくちゃ 体は平気』
     そして、文字は続く。
    『慣れてるから』
    『対価になったのなら よかった』
    『お呼びなら 夜に』
    『逃げたりしない』
     【対価】。その一言でローさんはゾロくんがどういう気持ちで昨日、自分を小屋へと迎え入れたのか、跪いて奉仕をしてきたのかが理解できて全身の血がすとんと下へと落ちるような寒さを感じた。
     【慣れてる】。あんな行為を? あんな暴力を? ゾロ屋はそれを知っていて、あまつさえ、慣れている?
     ローさんが呆然とゾロくんの顔を見つめる。相手の様子にゾロくんは戸惑ったように首を傾げて少し微笑む。
     真昼間の陽の光が降り注いで、性の匂いなんてこれっぽっちもしないあどけなさすらあるゾロくん。そんな子が綴った文字が信じられなくて、その意味にぞっとしてしまって、ローさんは混乱する。
    「っ、なれ、てるって、なんだよ。慣れる? あんなことに? おれは、っ、おれはおまえに乱暴を働いたんだぞ?! どうして怒らない、どうして怯えない! っ、どうして、悲しまない…!」
     思わずゾロくんの肩を強く掴んで、ローさんが叫ぶ。
    「おまえは自分が何を言ってるのかわかってるのか?!」
     ゾロくんはローさんの剣幕にびっくりしたように目を見開いて、それからきょと、と視線を怯えたように彷徨わせる。自分が何か粗相をしたのだと理解した様子で、でも原因がわからないのか、言い訳の一つもできずに手からメモ帳とえんぴつが落ちる。
    「……おれは、おまえのことを愛おしいと思っている。歳の離れた友だと」
     とも、とゾロくんの方が動く。信じられないものを見る目でゾロくんがローさんを見上げている。
    「二度と、二度とおれにあんな真似をさせるな。……おまえが使った香と魔法については、不問にする」
     そう言ってようやくローさんは立ち上がる。
     昨晩、ゾロくんから香った花の香り、あれは催淫材の類だった。ローさんは耐性をつけるため、そして医学と薬学に精通してるため、様々な毒を知っている。効果と香りから何が使われたのかは大体わかる。
     そもそもあれはそんなに強い薬じゃない。あれだけだったらこんなことにはなっていない。たぶん、強かったのはゾロくんの魔法だ。力を詳しく理解していない様子だから、わざとなのか、それとも無意識に行使してしまったのかはわからない。でも、あの星渦巻くような瞳を見つめてしまったのが原因だと、それだけはわかった。
    「今日は休め。これは屋敷の主人としての命令だ」
     呆然と座り込んだままのゾロくんを見下ろして、やるせない気持ちでローさんはその場から立ち去った。これ以上、何をどうしていいのか彼にも分からなくて、ゾロくんから自分が逃げ出してしまったのだと後から気がついた。
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