Happy Halloween「ハッピーハロウィ――ン!」
高専内、五条悟の執務室を開けた七海建人はしばし固まった。そのまま踵を返したい気持ちになったがかろうじて堪え、パタリと後ろ手にドアを閉めた。
「何て格好をしてるんです」
目の前には五条が、超のつくミニスカートを履いた五条悟が、艶然と?立っていた。
一〇月三十一日、ここ呪術高専東京校では夕食の時間にハロウィンパーティをすることになっていた。といっても、会場である食堂を多少飾り付け、ハロウィンに因んだ料理やスイーツが並ぶというささやかな催しであったのだが。
「せっかくだから仮装しようよ」
五条が言い出し、食堂が開くまでの時間、生徒たちは大人たちの元を回ることになった。
「ちゃんとトリック オア トリーツって言ってね。お菓子くれなきゃ悪戯していいから。伊地知のメガネ取っちゃったり、七海のサングラス取っちゃったり、学長のグラサンも取っちゃっていいから」
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