愛に重さがあるとして。(マサ音)愛に重さがあるとして、この愛は重いと定義された時にそれを決めるための基準とはどこからやってくるのだろうか。
そう問い掛ければ赤髪の彼は「うーん……?」と腕を組んで唸り始める。哲学的なことはよく分かんない、と言いつつもこうして一生懸命に考えてくれるところは本当に愛らしく、好ましい。
では質問を変えて、俺の愛は重いだろうか?と問い掛ければ「全然!」と首を横に振り、寧ろもっと重くても構わないと嬉しそうな顔で明るく言い放った。
いつだったか、彼の元同室たる友人が「あの男は依存し過ぎている」と眉を下げて俺の心配をしてくれたことがあったが、本当にそうだろうか?と聞き返した覚えがある。確かに愛に飢えていることには違いないとは感じるが、それが依存や重さに感じたことは一度たりともない。
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