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    shi_na_17

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    shi_na_17

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    ワンライのやつが思ったよりえっち(気持ち的にR15くらい)になってしまったので、こっちに。

    #ドラロナ
    drarona
    #ドラロナワンドロワンライ一本勝負
    dralonawandrowanryeOneGame

    お題「マフラー」 ドゴッッッッッ!!!
     渾身の力で振るった拳は、真冬に現れた季節外れの(?)マイクロビキニを吹っ飛ばした。
    「寒々しいんだよこのバカ!!!!」
     一般人への被害は抑えられたが自分はしっかりマイクロビキニになってしまった。まぁ、催眠対策の自前のやつの方だけど。
    「ぶえっくし!!!!」
     あーさむ。今日は今冬一番の寒さだと言っていた。そんな中マイクロビキニだなんてバカなんじゃないだろうか。バカだから風邪はひかないんだろうか。それとも吸血鬼だから風邪ひかねぇの? 寒そうではあるが。マント羽織ってたりするしな。日によっては。
    「ロナルド君また性懲りも無く……」
     今更になって追いついたドラルクがぱたぱたと軽そうな足音をさせながら追いついてきた。今日のドラルクは今の俺とは対照的にいつもより暖かそうな格好をしていた。
     ジョンとお揃いのマフラーと手袋。ジョン用に作ったついでって言って、自分用を作ってた。料理も編み物も趣味っておばあちゃんかよ。体臭も線香の匂いしてて、ただでさえおばあちゃん感が強いのに。なんて思いつつ、こきりと肩を鳴らしながらドラルクの方へと向き直った時。
     ふわっ、と首元に何かが巻かれる。それがマフラーだと気がつくのには、然程時間は掛からなかった。
    「おいドラ公」
     これ、お前すげぇ楽しそうに巻いてたし、編んでたじゃん。出掛ける時も、巻きながら楽しそうにしてた。ジョンとお揃いだよ! なんて、ただのパトロールだってのに、遠足にでも行くのかってくらいのはしゃぎっぷりだったじゃん。それを、なんで俺に巻いてるんだよ。自分で巻いとけ。
    「いくらゴリラといえど、寒々しい格好すぎるわ」
     微妙に顔が赤いのはなんでだ。いや、寒いのか? 寒いと吸血鬼顔赤くなんの? 人間はまぁ、赤くなることもある、けども。
    「あったかい、けどさ……」
     確かに、あったかい、けど。でも、マイクロビキニにマフラーってやばくない? なんか、変態っぽくない? いやその前に街中でマイクロビキニの時点で変態っぽいな。
    「とっとと帰るぞ」
     いやさっき出たばっかじゃん。ほんの十分くらい前まで、やたらめったらはしゃいでたのに。それが、たかがマイクロビキニとの遭遇ってだけで帰る理由に…………なるかもしれないけれど。
    「いやお前らはそのまま散歩でもなんでもしてれば良いじゃん」
    「いや、君を見てたら寒くなってきたから帰る」
     ついでとばかりに、ドラ公のマントが背中に掛けられる。いやなんで? お前寒くて死にかけながら人にマントかけてる場合じゃなくない?
    「早く帰るぞ、野生のゴリラ」
     くるりと踵を返して、後ろ手に俺の右手を引く。本当は殴り殺してやろうかと思わないでもなかったけれど、なんかこれだけ色々巻かれたりなんかして、反対に砂りながら寒さを耐えることになったドラルクを殺すのはいかがなものか? と自分で思わないでもなかったし、そもそも片手はドラルクに掴まれて、もう片手は肩に掛けられたマントがずり落ちないように抑えるのに忙しい。殴る手が無い。あとは足しかない。
    「…………どうしたんだよ」
     ドラルクにあるまじき速度でずんずん進んでいくその背中に、思わずたずねる。だって、そうだろ。相手は少し歩くだけで死にそうになるクソザコおじさんだぞ。そんな、ずんずん早歩きする上に、防寒具を他人に渡して死にそうになってるなんて、どんな自滅方法だ。
    「どうもしてない」
     そんな事を言うドラルクの耳が、真っ赤になっている。そういえば、右手を握る手のひらも、妙に熱いような。
    「何、お前……」
     照れてる? それとも……なんだ。そんな恥ずかしがるような、事が………………。
     その時、ピンと閃く記憶が脳裏を掠める。
    ────ロナルド君、ロナルド、君っ……!!
     霞んだ意識の向こう側で、後ろ向きで散々愛されてた時のこと。それは然程古い記憶ではない……というか、つい昨夜の事だ。あの時……そうだ、なんだっけ、なんか……首筋に。
    「おい…………こっち向けよ」
     なんか、やってたな。ちくっとした、ような気がしてきた。あんまり記憶が定かじゃないけど。
    「…………」
    「おいてめぇ、なんで俺にマフラーとかマントとか被せた? 足止めて、こっち向けよ。なぁ」
     もしかしてなんだけど、俺の首筋とか、背中とか。すげぇことになってる? 見えないからわかんなかったけど。昨夜、何も覚えてないくらいにぐずぐずになったのはこの際横に置いておく。
    「お前さぁ、仕事柄マイクロビキニになっちまうかもとか思わなかったのかよ」
    「だ、だって…………」
     足は止めないまま、耳元からさらさらいきつつ、ドラルクは蚊の鳴くような声を出した。事務所のビルはもう目の前だった。
    「だって?」
     エレベーターの中で、壁を向いたまま呟くドラルク。腕に抱えたジョンがなんか困ってるのが見えた。ジョン困らせてんじゃねぇぞクソ砂。
    「…………あんまりに、可愛くて」
     可愛いかどうかはこの際置いとくとして。なんせそこについて揉め出したら時間がかかるに決まってる。こいつの目だか認知だかが盛大に狂ってるせいで。
    「だからっててめぇ人の背中にそんなに大量の痕付けて平気だと思ってんのかよ。こういうことがよくあるってことくらいよくわかってんだろシンヨコ市民何年やってんだよ!!」
     ドゴッ!!! ジョンだけキャッチして、本体にはさっき我慢した蹴りを叩き込む。見事に砂と化した変態クソ砂は、チンッ! というベルの音と共に砂山から頭を出して、ぬるぬると復活しながら廊下に移動する。なんかこういうモンスターいるよな。多分。詳しくないけど。昔お買い得だったからって買ってくれたゲームにいた気がする。なんとかの塔だっけ? クソみたいに難しかったな。剣振ってもモンスターに当たらなくて。
     ジョンを抱えたまま、ずんずん大股で廊下を進み、事務所のドアを開ける。砂の速度には構わない事にした。どうせ勝手に復活して勝手に入ってくるんだろ、あのクソ砂。
    「でも吸血はしてないもん……」
     居住スペースのドアを開けたタイミングで、もう一つのドアが開く音と元に聞こえた呟きに顔を顰めて、ジョンを事務所の床に下ろす。
    「退治人が吸血させてどうすんだよ。っつーか、良い年こいて『もん』とか、クソきめぇ」
     これ見よがしにため息を吐いて、居住スペースのドアを閉める。それから。
    「………………っ、」
     想像だけで甘く痺れの走った首筋を抑えながら、ドアに背中を凭れ掛けさせたままずるずると座り込む。
     キスして、吸われて、甘噛みされて。それだけで、あんなにぐずぐずなのに、その上吸血まで?
     そんなの、無理に決まってる。想像するだけで頭がおかしくなりそうになるくらいの快感に、肩を抱えて震える息を吐き出した。
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    DONE #ドラロナワンドロワンライ一本勝負
    @DR_60min
    第11回目『バトル』で参加させて頂きます(+10min)
    できてる本編ドラロナで糖度はあっさりめ。ドさんが捕まって闇コロシアムの賞品になったり、殴り込みに来たロくんがスケスケの衣装を着たりする話です。よろしくお願いします!
    催眠かセロリでも持って出直してこい ――やたら華美で豪奢な前時代的なコロシアムの中に、観客たちの歓声が湧き上がる。
     円筒形のケースの中に博物館の展示物のように押し込められたドラルクは、冷めた気分で最上階から見える景色を眺めていた。頭上の空気穴は砂粒を通さないようにきめ細かいメッシュが貼られており、適当に壁を蹴った反作用死で脱出を試みることは難しそうである。
    『それでは、本日の豪華賞品を求める勇敢な挑戦者を――』
    「はー……」
     つまらない気分のまま、ため息を吐く。自分が賭ける側になったり実況席に座ったりするならともかく、ただただ身動きできない賞品のように扱われるのは面白くない。
     スピーカーから聞こえる実況はスルーしつつ、反対側に見えるVIP席らしき場所へ視線を向ける。「悪い吸血鬼が私有地に潜んでいる気がするから調査して欲しい」という、やや具体性に欠けた依頼を事務所に持ち込んできた人間が一人、その男に露骨にゴマすりされてふんぞり返っている吸血鬼が一人。どうも自分たちはまんまと嵌められたようであった。
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    DONE200年物のメッセージボトルがようやく退治人の元に流れ着いた話
    #ドラロナワンドロワンライ一本勝負 (@DR_60min)よりお題「海」で書かせていただいたものです。
    純情inボトル、onペイパードラルクが初めて手紙を書いたのは、8歳の時の海辺でのことだった。

    流れる水の傍というのは、吸血鬼にとって昼と同じくらい恐ろしい。虚弱なドラルクであれば尚更だ。人間の子供であっても海の事故は多いという。当然、心配性の父母はドラルクを海になど連れていきたがらなかった。

    「おじいさま、あれはなんですか?」
    「手紙。瓶に入れてどこかの誰かが流したの」
    「てがみ! よんでみたいです」

    偉大かつ子供のような祖父の腕に抱かれ、ドラルクは海辺の綺麗な小瓶を指差した。夜の砂浜に動くものは二人の他になく、曇り空の果てから真っ黒な水が唸るように打ち寄せる音だけが聞こえていた。
    ドラルクは祖父に似て好奇心が旺盛だった。血族には内緒の二人きりの冒険にも当然付いていく。手紙入りの綺麗な小瓶も当然欲しがった。祖父はキラキラと期待に満ちた孫の顔を見て、裾が濡れるのも構わずにざぶざぶと波打ち際を歩いて行った。祖父の大きな手の中に収まった透明な丸い瓶を見て、ドラルクはさらに目を輝かせた。
    5312

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