初めてハンターさんを意識したのは、ボクがまだ本当に小さい頃のこと。
父さんと母さんが旅に出て、おじいちゃんに弟子が出来て――里一番のハンターだった夫婦が亡くなり、思えば、色んなことが起きた頃だった。
その子は、亡くなった夫婦の一人息子だという。お墓の前に立つその子は、重く伸ばした前髪のせいで、泣いているのか、いないのかもわからなかった。その、表情の見えない横顔が妙に頭に残って、離れない。おじいちゃんに手を引かれて家に帰る時も、その子は、じっとお墓の前から動かない。背の高い男の人――後のウツシ教官だ――が、その子の側に駆け寄って、ボクはようやくほっとした。ボクには、旅に出てしまったけれど、父さんも母さんもいて、側にはおじいちゃんがいてくれる。両親を亡くしたあの子は、これからどうするのだろう。一人ぼっちになってしまったら、どうやって生きていったら良いのか、その頃のボクには、想像も出来なかった。
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