魔尊座くん×煉獄先生「あかざ、いい。きみになら……」
お腹いっぱいだ……と言って、そのまま寝転がって黙ってしまった杏寿郎。そんな無防備な姿にほいほいと誘われた俺は、首の後ろに手を回され、そのまま引き寄せられて──全身にカッと火がついた。
「杏寿郎……っ」
半開きの唇を奪い、肘を掴んで覆いかぶさる。汗ばむ腕をたどっては手のひらを重ねて、指のあわいに自分の指先を忍び込ませた。
「ぅ……ぁ、ぁ」
下唇を二、三度喰む。力の抜けたところで舌を出すと、ぢゅっとそれが吸われて、脳みそが眩めく。
チカチカとまたたく視界に首の後ろで警笛が鳴っている気がしたが、烈火の如く胸から湧き立つ激情に全身は支配され、止めることなどできなかった。
「杏寿郎……杏寿郎……っ」
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