一緒に賄いをお父さんはひどい 病気のお母さんがいる家に全く帰ってくれないから。
10代前半の私はそう思ってお父さんを軽蔑していた。今ならお母さんの薬代を稼ぎに行ってたんだと理解はするものの、きっと弱ってるお母さんを見たくなかったのもあると思う。
そして私が16になった時に母は亡くなり、私は家を飛び出して知り合いの食堂を経営している中年夫婦に住み込みで働かせてほしいと説得して働いていた。
仕事にも慣れてきて嵐のようなランチタイムも過ぎ去り、ようやく私もお昼を取れると閉店の札を掛け自分の賄いを作ろうとした時ガラリと入り口のドアを開けられた。
「お兄さん?悪いけど今閉店してるんだよね。お腹ぺこぺこな私にご飯を食べさせてくれない?」
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