思へどもなほぞあやしきあふことの なかりし昔いかで経つらむ平安パロ忘羨 2話
「魏無羨!」
江晩吟が激しく扉を叩く音で目が覚めた。
開けようとギシギシと鳴り響くが、鍵がそれを阻んでいるようだ。
昨夜藍忘機は自身を押し倒しながら、鍵をかけたのかと思うと用意周到さに恐れ入る。
起き上がりたいが、散々可愛がられた尻はもう少し休みたいと動いてはくれない。
ゆっくり目が覚めると、藍忘機と目があった。挨拶代わりに口づけされた後、強く抱きしめられた。
「藍湛、離せ。江澄がキレてるぞ。あっ! おい!」
「藍…忘機」
藍忘機は鍵を開け、江晩吟と対峙した。
驚いた江晩吟の表情は次第に闘気を纏い、指についた紫電が光出す。
「どういうことだ」
「そういうことだ」
藍忘機は再度扉を閉めようとするが、江晩吟は足を入れて阻んだ。
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