Find Out 下校のチャイムが鳴っている。リンゴン、リンゴンという重たい鐘の音は、どうして早く帰らなくては、という気にさせるのだろう。無性に気が焦り、心臓の鼓動が早くなる。いつもはこんな風に急かされるのが嫌ですぐに支度を整えて帰るのに、日直の当番ノートを書いていたら随分時間が経ってしまっていたようだった。慌ただしく荷物をランドセルに詰め肩に担ぐ。自分以外はもう帰ってしまっただろうが、その時は何故か、自分の他に教室に誰も残っていないだろうかと入り口の前、引き戸に手を掛けながら室内をぐるりと見渡した。そこで、教室の一番後ろ、窓際の席に金色の丸い頭があることに気が付いた。
「……あれ? ──くん? ぼくもう帰るけど、きみは?」
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