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    二人で薔薇園行く話イコプリ。

    #イコプリ
    iconography

    ローズガーデン王子に薔薇園に行こうって誘われたんやけど、俺が薔薇園とか行ったら浮いてまえへんかなぁ。
    という相談を生駒が同級生組にすると、嵐山は「そんなことないと思うぞ! 生駒は薔薇が似合うと思う!」と爽やかに否定と肯定を示し、迅は「薔薇園に誘われたの?! さすが王子さまは趣味が違うねぇ」と笑いながら感心し、柿崎は「でも俺らじゃ絶対行かない場所だし、いい機会なんじゃないのか?」と前向きな意見を述べた。
    ただ弓場だけは「王子に薔薇園誘われたのか……ご愁傷様だな」と静かに誰にも聞こえない声で呟いていた。

    薔薇園に王子と来てみて思ったのだが、まず王子のテンションの高さに引いてしまう。
    普段からわりと喋る奴ではあるが、聞いてもないのに薔薇の話を喋る喋る。
    王子は生駒の話が好きなので、普段は自分も話すが生駒の話もちゃんと聞く。
    「今のイコさんの話、面白かったからSNSに載せてもいいかな?!」とか大絶賛してくれるので生駒は「あ、いやそこまでせんでもええんちゃうかな……」と恐縮するくらい話は真剣に聞いてくれる。
    しかし今は「ジョゼフィーヌも薔薇が好きで自分で改良して作ったりしたんだ、ジョゼフィーヌはナポレオンの奥さんだよ、ぼく、ナポレオン好きなんだ」という王子に「ナポレオンって戦略上手かった奴か? 源義経みたいなもん?」と返したら「どうだろそうなんじゃない? でね!」と相槌も適当だった。
    「ジョゼフィーヌはいい女だよ。イコさんも頭は悪くて愚かでも情熱的に自分を愛してくれる女性と付き合うべきだよ」と興奮している王子に、「キャラ濃いん彼女はもう王子だけで充分なんやけど……」とうんざりと返した。
    「…………」
    が、その瞬間王子が黙り込んだので生駒は何かまずいことを言ってしまったのかとぎょっとしてしまう。
    「どないしたん?!」
    と尋ねると王子が「イコさんがいきなりぼくのこと、か、彼女なんて言うから……」と顔を赤らめている。
    「えー、彼女みたいなもんやん、違う?」
    王子が思ってもみない反応を示したので、生駒も伝染するかのように焦ってしまう。
    王子はふと顔を上げ「あ、月光」と呟いた。見ると黄色い薔薇の名前らしい。
    「綺麗だよね、薔薇も、名前も」
    王子は再び歩き出し、また薔薇について語り出した。黙っていれば美形なのにとは今まで千度思ったことはあるが、生駒はそれでもやっぱりアホなことを得意げに語るこの薔薇のように美しい恋人が好きだなと王子についていきながら思った。
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    水鳥の

    MOURNING初のイコプリSS。大半が十九歳。関西弁は空気で読んでください。 付き合ってからと言うもの、王子は事あるごとに生駒に好きを伝えたがる。
    「好きだよ、イコさん」
     時も場所関係なく伝えられる言葉に、生駒は不思議そうに尋ねたことがある。
    「なんや、王子、どないしたん?」
    「うーん、何でもないよ。ただ言いたいだけ」
    「それなら、ええ」
     にこにこといつもと変わらない笑顔を張り付けて、王子は生駒に言う。生駒は、本当にそうなら問題ないな、と頷いた。
     
    「で、今も続いてる、と」
     生駒から経緯を聞いていた弓場は、片眉を器用に持ち上げて嫌そうな表情をした。
    「そうや」
     生駒はいつもと変わらない表情で弓場の問いに答えた。
     日差しの気持ちよい午後、ボーダーのラウンジの一角に何故か十九歳組が集まり、何故か近況はどうなのかと言う事になり、何故か、王子と付き合っている生駒の悩み相談が開始された。
    「王子も可愛いところあるじゃないか」
     嵐山が、どこが悩みなんだ? と不思議そうに言う。
    「いや、何回も続くと生駒も鬱陶しいんじゃないのか?」
     嵐山の問いに柿崎が答える。
    「いや、そんなんないな」
     生駒は、当たり前だと言うように柿崎の言葉を否定した。
    「ないのかよ」
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