俺の知らないアイツ 生まれ変わりなんて信じていなかった。
ここには熱砂の国も、グレートセブンの英雄達も、そして俺を振り回してやまない鬱陶しい誰かさんもいない。
前世の記憶が自分にあると気がついたのはいつだったか。たぶん5、6歳の頃だったように思う。
ある日ふと思ったのだ。ここは"前"のように子供のうちから働かなくてよくて楽だと。
その"前"が前世だと思い始めたのは小学校に上がってから本を読んで前世の記述があったのを見た時だ。
同じだ、と思った。
この本に出てくる主人公と同じように知らないはずのことを知っていたり会ったこともない人とずっと前から知り合いだったような気がすることがよくあった。
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