砂浜「あっつーい! スイカ、まだかしらね」
「取りに行ってくれたんだから、待ってましょ」
苦笑するマァムの横で、大きなパラソルの下に置かれた長椅子に腰掛けたレオナはわかってるわよー、とサンダルの足をぱたぱたと振って砂浜を振り返った。
「それにしてもずいぶん経ってるわよね。ヒュンケルがあれだけ切ってたんだから、足りないってことないと思うけど。どうしちゃったのかしら。もう暑くて干からびちゃうわ」
「そうねえ、確かにだいぶかかってるけど……。レオナ、暑いならその上着、脱いでおいたら?」
「もう〜。これは日除けよ。着なかったら大変なことになっちゃうでしょ」
まったく、と首をふるレオナの横でメルルが微笑んだ。
「マァムさんもこれ、着ませんか? 皆さんの分を用意していただけたみたいです」
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