お付き合い初日「ランちゃん、好きです」
「ああ、俺も好きだぞ」
「その、俺と付き合ってください!」
「うん」
頷いて、いつもと同じ零れるような笑顔を見せてくれたから、その瞬間から俺はランちゃんと恋人同士になったんだ。
――と、思ったけど。
「ヴェイン、皿出しておくぞ」
そう言って大皿をテーブルの上に置いてくれたランちゃんは、全くいつも通りの顔をしている。いつも通り、綺麗で可愛くて、カッコいい。
鼻歌を歌いながら、洗っておいたレタスを大皿の上に敷き詰めてくれた。
幼馴染みのランちゃんとは、色々都合がいいだろうと合意して、数年前から同居をしている。
休みの日は朝から一緒にキッチンに立って、こうやって朝食の準備をするんだ。休日の午前中はふたりで家のことをやろうって決めている。朝食後は、シーツや毛布の洗濯、家中の窓拭き。
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