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    Tyon。

    五悠を書いています。
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    @yon_472

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    Tyon。

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    五悠です。 すれ違い
    視線 ②悠仁視点
    卒業の日に、先生へ気持ちを伝えた悠仁
    その結果は…

    #五悠
    fiveYo

    視線② 見ていただけ春の風がまだ冷たい今日。
    両面宿儺を飲み込んで通い始めた、この高専を卒業する。
    最初から死刑宣告をされていて、それを受け入れて過ごしてはいた。だけど、まさか卒業式を迎えることが出来るとまでは思っていなかった。

    「先生には言ったのか?」

    先生に最後の挨拶をして戻ってきた俺に伏黒が聞いてきた。

    「言ったよ。でも、俺のとは違った」
    「あの男も、絶対、あんたのこと好きだと思ったんだけど」

    2人とも最後の挨拶の内容は知っている。乱暴な口調でも、釘崎に心配されていることは伝わる。

    先生の事、ずっと好きだった。
    きっかけというきっかけはない。ただ一緒にいる時間に安心できて、何かしていても先生のこと考えていた。いつしか、それが恋愛の意味での好意だと気づいた。

    たまに、先生が俺のこと見ている時がある。気のせいだと気にしないようにしていても、やっぱり好きな人に見られていると思うと緊張する。
    ある時その視線が、ただ見ているだけのものと違う、特別なものに感じた。

    「んー、俺もそうかなって思ったんだけど…まぁ男相手で、しかもだいぶ年下だし…あの視線は、親心だったんかな」

    先生は最強で容姿も人機は目を引く。
    噂で「誰か一人に真剣にならない」と聞いたことがあった。元から伝えるつもりもない気持ちだったけど、それを聞けば勝ち目はないなと思った。いつか、その日が来た時にと秘めていた策が崩れる。
    それでも、もしかして…と感じてしまったあの視線は、ただの親心からの視線だったのだろうか。

    「はあ…今日は、ご馳走よ。あんたの為じゃないけど、たらふく食べれば、ちょっとは気分が紛れるでしょ」
    「好きな物、選んでいいぞ」
    「はは、サンキューな。じゃあ、やっぱりビフテキ!」

    2人は慰めてくれている。
    俺のこの感情を知った時も、2人は相変わらずだった。
    「あの人はやめておけ」「あんた見る目ないわよ」と散々な言いようだったが、最後には「まぁお前が選んだなら」「後悔はしないことよ」だなんなて背中を押してくれていた。

    あれから三年近く経つのか。
    せめて卒業するまではと、仕舞っていた思いを伝える時が来た。けれど結果は惨敗。
    『気持ちを伝えるだけ』そう思っていたはずが、結局先生を目の前にしたらそれ以上を求めていた。

    先生、大好き

    この言葉じゃ足りないことは分かっていた。
    でも、もしも先生も…先生も同じ気持ちなら、何か起こると期待していた。
    結果は何もなく、俺から「さよなら」と告げて終わってしまった。

    前に「若者は、青春しなさい」と先生が言っていた。その言葉を胸に、毎日を楽しんだし、沢山の思い出もできた。
    でも、ひとつだけ心残りができてしまった。
    もしかしたら、もっと早く伝えておけば良かったのかもしれない。
    もしかしたら、付き合って欲しいと言葉にすれば良かったのかもしれない。
    もしかしたら、あの時…
    そんな、もう叶わない過去のことを思い出してしまう。

    先生、ありがとう。
    大好きだった。
    でも、さようなら。

    この気持ちは忘れる。
    そう誓って、前へ進んだ。
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