知らない方がいいこともある「おっミドリじゃん。うっちゅ〜☆」
「ど、どもっす。」
個人レッスン後、翠がシャワー室に行くとそこにはまだ練習着を着たこれからシャワーを浴びるであろうレオが居た。
「おまえもシャワー浴びに来たのか〜?」
「そうですけど。それ以外にシャワー室に来る理由ってあります……」
「ん〜。ここの場所だけカメラが無いって前に聞いたし、秘密の会話をする時とか?」
「ここは利用者多いし、そんな事する人いるんっスかね。」
「さぁ?知らな〜い。あっなんか霊感が湧いてきそう!」
ふんふふ〜んと鼻歌を歌いながら服を脱ぎ始めたレオを見ていると、どっと疲労が襲いかかってくる。
(やっぱりこの人よく分からない…)
少し前にSVRSで『ぜんぜん知らない人』から『ちょっと知ってる人』になったとはいえ、まだまだ関わりは浅い。それに人見知りな翠にとって『陽キャ』『テンションの高い人』な部類に入るレオに話しかけられてグイグイこられるのは少し怖い。先にレオがブースに入ってから自分は離れた所に入ろうと思って目の前の空いているロッカーを開ける。
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