好きな人とお揃いにしたい2ピアスデビューしちゃった…
ワンダーステージの控え室でやったピアスを類に付けてもらうと言うイベントにはドキドキした。
帰り道、1人になった時に思わず右耳の耳たぶをなぞる。
痛みはまだあるものの満足感の方が勝っているのか全く苦痛ではない。
スマホを見ると類から連絡が来ていた。
〘ピアス気をつけてね。
枕とかで引っ掛けると悪化しちゃうから〙
気を使った内容に思わず顔がニヤける。
簡単に分かったと返事返すとちょうど家に着き、玄関のドアを開ける。
「ただいまー」
「お兄ちゃんおかえりー」
「おー」
リビングに行くと両親と咲希がそれぞれスーツケースで荷造りしていた。
「どうしたんだ、荷造りして」
「それがね、おばあちゃんが腰を痛めてしまって入院するのよ、ちょっと心配だから行ってくるわ。お父さんは出張、咲希は友達とお泊まり会よ」
「みんな家空けるのか?」
パタパタとオレ以外はみんな準備を済ませていく。
そして思いついた事を口にする。
「オ、オレ友達呼んでいいかな」
両親は顔を見合わせ、咲希はあぁ、と分かったように頷く。
「いいけど、危ないことはしないでよー?」
「わかってるよ!」
「類先輩呼ぶの?」
「悪いかよ」
「べっつにー」
咲希はニヤニヤとリビングから出ていき、両親は手を止めていた荷造りを再開させる。
自室に戻ると荷物を置き、スマホを取り出し類に早速連絡する。
〘明日両親と咲希が家に居ないんだ。泊まりに来ないか?〙
さり気なく、さり気なくそうやって呟きながらメッセージを送ると既読が直ぐに付き、メッセージが帰ってきた。
〘宜しければぜひ〙
返事を見るとワクワクしてきた。
「お泊まり会…」
ボソッと呟きベットにダイブする。
楽しみだなぁ…
昨日はそのまま寝てしまっていたようで、服もそのままだった。
あー、やっちゃった。時計を見ると8時だった。
自室からリビングに向かうと静まり返っていてもうみんな家を出たのか居ない。
オレはフェニックスワンダーランドに行かなきゃ。
9時に出れば間に合うな。
予定を逆算してもシャワーを浴びる時間がありそうだ。
1度自室に帰ると今日着る服を準備して、浴室に向かいシャワーを浴びる準備をする。
服を全て脱ぎ全裸になると、蛇口を弄りシャワーを浴び始める。
と、浴び始めたのはいいが愛用していたシャンプーを切らしていたのを思い出した。
「ま、いっか」
咲希が愛用しているシャンプーを使うと、バラの香りが強い。
シャワーで流すとまだ香りが残ってる。
そのまま身体も洗った後、最後にもう一度身体全身にシャワーを浴びる。
浴室から出るとバスタオルで乱雑に髪を拭いたあと身体も拭いていく。
ふと昨日開けたピアスを鏡越しに見つめた。
「ピアス、いいなぁ」
既にお気に入りになりつつあるピアスに笑みを浮かべ軽く触るとまだ熱があるようで少し傷んだ。
でもいいんだ。これは俺の思いが詰まったピアスなんだから。
~ワンダーステージ終了後~
控え室で着替えていると類が後から入ってきて少し緊張する。
「今日、予定大丈夫か?」
着替えながらさり気なく聞くと、類ポカンとした表情の後にニッコリと笑みを浮かべてヘラりと笑い。
「大丈夫だよ、楽しみにしてたんだ。制服も持ってきてるんだよ?」
楽しそうに言ってるのが伝わり思わず安堵のため息を吐く。
暫くして2人の身支度がが終わり、控え室から出てオレの家に向かう。
途中コンビニに寄って晩御飯やお菓子を買っていく。
どちらが払うかで揉めたが、買った方が払うというじゃんけんで負けて類が支払うことになった。
「到着ー」
「お邪魔します」
玄関の鍵を開けて中に入り、施錠をすると電気をつけて自室に向かう。
「ここ、オレの部屋」
自室のドアを開け中に類を入室させる。
類は部屋を見回しへぇと声を上げる。
「なんだよ、その反応ー」
「意外と綺麗だなって」
「意外なんて言うなよー」
コンビニで買ってきた物をテーブルに置き、少し緊張する。
類がオレの部屋にいる…ッ!
類に背を向けると分からないように深呼吸する。
「司くん」
「ッ!」
背後からゆっくりと抱きつかれて、首筋に顔を埋められる。
「今日の司くんいい匂い…」
「!類っ、何して…」
類は背後から腰前に腕を回すと、服の中に手を入れてくる類に思わず硬直してしまう。
「…ッ!、類…俺」
「ねぇ司くん」
昨日開けた右耳を背後から舐められる。
類の舌先がピアスを触り、思わずビクリと身体を震わせる。
「司くん、僕ずっと」
ーこうなりたいと思ってたー
その後は早かった。
類のリードの元、ベットに誘導されたオレは、類にされるがまま服を脱がされ、裸になり、抱き合った。
類はオレを気遣いながら事を進めていく。
お互い裸になると、肌と肌が触れ合うだけで気持ちよくて、後ろを慣らす時に類にオレのアレを舐められた時はビックリして。
でも気持ちよくて…
類の自身がナカに挿入された時はとにかく緊張して。
グズグズに慣らされた融合部からは卑猥な音がするし、恥ずかしくて。
類がオレのナカに吐き出して全て終わった時、オレは息を切らしていた。
類はオレの頬に手を当ててゆっくりキスをする最初はバードキスからフレンチキス、ディープキスと唇が蕩けそうだった。
幸せだ。高揚感がオレの身体を包んでいく。
類は俺の横に寝転がると頭を撫でニコリと笑みを浮かべた。
「ねぇ、司くん」
「…何…?」
ー司くんはもう僕だけのものだからねー
耳元で囁かれるものの、事後の疲れで眠くなってきたオレは、トロリとした目でゆっくりと頷く。
類はそれに満足したのか身体が疲れで動かないオレに、再び唇にキスをすると満足そうに笑みを浮かべた。