茅ヶ崎至は足に何か挟んで寝たい!「綴、ちょっとこっちに来て」
地方公演中の滞在先として、監督が押さえてくれたホテルの一室。ベッドの上に寝転がった至さんは、俺に背を向けたままそう言った。移動中の新幹線の中では、手から離れることのなかった携帯用ゲーム機も今は充電ケーブルに繋がれて、サイドテーブルに置かれている。小さく聞こえる音楽は、至さんが現在進行形でプレイしているスマホゲームのBGMだろう。
「ちょっとって、これくらいですか」
明日はマチネ公演があるので、夜更かしは避けたい。そう思いつつも、公演の後はいつも高揚感が残ってなかなか寝付けなかった。至さんと同じようにベッドに横なり、手持ち無沙汰に台本のページをめくっていた俺はシーツの上を這い進んだ。
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