九井一が恋人に指輪を贈るらしい 九井一が恋人に指輪を贈るらしいと小耳に挟んだ。
東京卍會の集会所になっている神社では、それぞれの隊によって、たむろする場所がなんとなく決まっているが、まだ不慣れな乾が彷徨っていた時だ。
ふだんは噂話など気にしない乾だが、「九井」という声を耳が拾った。東京卍會に九井はひとりしかいない。乾のたいせつな幼馴染だ。もしココのことを悪く言うやつがいたら、オレが許さねぇ。こぶしを握りかけたところで、「恋人」と「指輪」という単語が耳に入ってきた。統括すると九井は恋人に指輪を贈るらしい。
伍番隊の武藤なる彼は宝飾店のショーウィンドウの前にいた九井とたまたまばったり遭遇し、「誰かにやるのか」と聞いたらしい。
「へぇ、九井はなんて答えたんですか」
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