同じ穴のむじな「本当に辺境の地だな・・」
「来るとき、タクシーの運ちゃんに降ろされたもんねぇ」
「ああ、笑えたな「ここから先バックで下がることもできないくらい狭くなるんで」って。まさか、
降ろされて1キロも山の中を歩かされるとは思わなかったもんなぁ」
「ヒールなんて履いてくるんじゃなかったわ。まさかこんなところだとは思わなかった。」
「山に行くって言ったろ。大体、旅行ってのはどこに行くにも歩きやすい靴で行けって言うよな。」
「私はどこに行くにもヒールよ!」
「そうですかい」
部屋の端にある、縁側の椅子に座って、ビール片手に、女と庭を見る。
いかにも仕立てられた美しい庭園ではなく、山野草を少し手入れしただけの庭で、近くには水車や井戸があり、畑や家畜の小屋があった。
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