試合に勝って 勝負に負ける カーテンの隙間から零れる陽射しが、歌姫の目元を照らす。
眩しさにゆっくりと瞼を開いた。
未だ夢見心地な意識。
体を動かそうとして、ずいぶんと怠いことに気付く。
(なんだろ……?)
体調でも悪いのだろうか?
考えてみれば、昨夜の記憶がない。
久しぶりの東京出張。
タイミングよく硝子も時間があり、なんと七海や猪野も時間があるという。
更に割とマジで嫌いで酒が飲めないくせにこういう集まりがあると顔を出したがる、五条が地方出張で不在。
これはもう、飲みに行くしかない。
なかなかない集まりに歌姫のテンションはマックス。
更にその上がり切ったテンションは普段飲まない、ワインや日本酒を歌姫の口に運ばせた。
それもまるで、水のようにガバガバと飲むものだから、あっという間に酔いはまわった。
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