習作じょそ ピク。視界の端で、俺よりも高い頭のてっぺんで小さな飾りが震えた。
「いちいち確認せんでええわい」
おぼこなんかおどれは。舌打ちしながらも長い指を俺の指に絡ませる態度ははたして度胸があるのかないのか。互いの指輪が付け根でぶつかって、指のかみ合わせに少し違和感がある。むず痒い。そっちが大見栄きって絡ませてきたくせに、今度は握るか握らないか戸惑っているのか弱々しく握ったり開いたり、落ち着かない。しっかりと、指の腹でお前の筋を辿れるほどしっかりと握ってやると、途端に掌が湿って、思わずフと鼻息が漏れた。相変わらず横顔はおすましだ。掌はじんわりと熱をもっているくせに。だってよお、双循。お前の想いを受け取ってやったのに、触れようとしたら逃げるじゃねえか。何がそんなに怖えのか、教えてくれよ。だからこうして、手を繋ぐのも都度訊いてやってんだろうが。
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