こたつ(R-15) 二人で本を読んでいる夜更け。
いつも一緒に行動してるわけでもないし、ずっと喋っている訳でもないし、ずっとくっついている訳でもない。ただ同じ空間にいるだけで太宰治的には満足なところもあり、なにかに集中している顔を眺めるのも好きだったりする。
けど今回は俺の方がさっさと飽きてしまって、こたつの温もりの中でうたた寝までしてしまった。
少しの時間寝こけて起きたら、肩にはブランケットがかかっていたが、かけたらしい本人は寝る前に見たのと同じ精悍な顔つきで本を読み続けている。
顔の下敷きにしてたらしい本はそっと避けられ、危うく涎を回避…。
「なおや…」
「ん~?」
「一緒に寝よ」
「俺はもう少し本読んだらな、お前はもう一回寝てろよ」
髪の毛をちょいちょいされて、うとうとしてしてきまうが、ハッと気を確かにする。
「……」
きょろきょろして、誰もいないことを確認(そもそも自室なので誰もいない)
そろっと足先を直哉の方に伸ばして、足首を探して、あぐらをかいてるのを確認する。
足首を触っても直哉は「はいはい」と言うだけ。どきどきしてきた。そのままそっと脛を辿って、形のいい膝、靭やかな内腿…を滑るように足先で撫でる。
「くすぐってえよ」
ふっと笑ってこっちを見たので、俺はドキッとして股間のど真ん中を強くこすってしまった。
「ッん!?」
びくっとして直哉が身を竦める。
「ご、ごめん!痛かった!?」
慌ててこたつから飛び出そうとすると、足首をガッと捕まえられて仰向けにすってんころりんする。
「治…わかってんだろうな」
「ひぃええ!」
めちゃくちゃに足をこしょばされて、ついでにこたつの中に引きずりこまれて脇腹までくすぐられた。
「ヤメローッ!ごめんなさい~!」
「はははっ、はー!」
くすぐりながら直哉は爆笑してて、俺も暴れながら直哉にやり返したりしてて、いい運動になったとさ。
「熱いから出たい」
「俺がいたずらしてからな」
「えっ」
いましたじゃん、と言う前にルームウェアの下を全部はぎ取られて、むきだしの下半身だけがこたつの中から出てるという滑稽な状態に恥ずかしさで暴れる。
「ちょっ、なに!?どうなってんの!?」
「いい眺めだな~」
おっきくなってないものをちょいちょいいじられて、恥ずかしさと期待とのぼせで全身真っ赤になる。
「のぼせちゃう…」
「すぐ抱っこしてやるからな」
た、対面座位ってこと~~~!???
見えてないけどこたつの外側で、直哉がニコッと笑う気配がした。嬉しい半分、やっちゃった半分…。
けどやっぱり直哉に触ってもらえるのは1番の幸せ、だったりするのであった。