バンさんRE:BORNそのはち! 新しいふかふかの寝床とかわいいエレイン。仲間が帰って寂しかったのもつかのま、今のバンはとってもご機嫌だ。
「ーーーーー!」
「エールはもうだめ! 寝ましょ、ね?」
「……ル」
また飲むとはしゃぎかけるバンの額にエレインがちゅっとキスすると、バンは大人しくなって寝床にゴロンと横になった。
「エレイン、ネル♪」
「うん」
こんななりでも中身はバンだ。いつものように腕を伸ばして誘えば、エレインもいつものようにそこに横になった。が、あまりに腕も大きすぎてすっぽりを通り越し、巨大な抱きまくらの下敷きにでもなったかのようだ。
「ウフフ。バン、おっきーい!」
獣のバンは大きくて、とても不思議な感触だ。温かいのに温度を感じず、フカフカしているようで何もない、空気の上に寝ているようでもある。まるで夢の中の物を触っているかのような、未知で不確かな感触だ。バンは確かにここにいて、確実に感じられるというのに。その証拠にキスのつもりなのか鼻面を仕切りに押し付けてきたり、エレインの髪の毛をその大きな手で器用にいつものように、優しく撫で梳いている。
「ちょっと疲れたかな……」
「ギィ?」
「ううん、大丈夫。おやすみなさい、バン……」
エレインは少し寂しいような、楽しいような、なんとも言えない奇妙な心地のまま、ウトウトし始めた。