甘いのはどっち?大きな口を開き、ガブリとシュークリームに食らいつく。
噛り付いた反対側から飛び出してきたクリームに舌打ちをしながらも、広がるカスタードの風味に、思わず口元が綻ぶ姿を三ツ谷は見逃さなかった。
妹たちが友人のプレゼントにケーキやマカロンを作ってあげると大騒ぎし、仕方なく手伝っている間にあれよあれよと様々な菓子を作り出してしまった結果ではあるが、こんなに喜んでくれるなら作ってよかったなぁと改めて感じる。
向いに座り、缶ジュースを飲みながら、瞳を逸らすことなく大寿を見続ける三ツ谷を尻目 に、大寿は次の菓子を吟味し始めている様子だった。
目を付けたフルーツサンドを手に取る前に、大寿は指の間についてしまったクリームを舌で舐めとった。
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