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    リョウ

    エペとゴスワイ。暁Kの沼にドボン。
    @andandryo

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    リョウ

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    禁煙デーな暁K。ココアシガレットは美味しい。

    前置き:ED後、KKさんが生きている世界線で暁人くんとKKさんはラブラブだよ。

    #暁K
    ##GWT

    禁煙デー 何とはなしに眺めていたSNSのトピック欄に『世界禁煙デー』という文字。
     へー、そんなのがあるのか。
     隣に座るKKを見れば、ちょうど机の上においた煙草に手を伸ばすところだった。煙草のパッケージを手にし、一本引き抜くとぐしゃりとパッケージを握りつぶす。どうやら空になったみたいだ。
    「煙草、買ってこようか?」
    「ん? いいのか?」
    「うん。喉渇いたからコンビニまで行こうと思ってたとこ。ついでに買ってくるよ」
    「ありがとよ」
     僕はソファから立ち上がり玄関へと向かった。
     KKには禁煙してもらいたいけれど、そう簡単にいくとは思えない。運良くストックの煙草がなくなったわけだし、ひとまず今日だけでもお試し禁煙をしてもらえたらな。
     
     徒歩数分のフジヤマートでさっさと買い物をすませ、KKの元へと戻った。
    「ただいま」
    「おかえり」
     リビングには出かける前と同じようにKKがソファに腰掛けている。違うのは灰皿内の煙草の吸い殻の数が一本増えていることか。
     僕は和歌コーラを取り出してから、コンビニ袋をKKに手渡した。
    「はい、買ってきたよ」
    「サンキュ」
     KKの隣に座りワカコーラの封を切った。
     さて、KKはどんな反応をするのかな。
     ガサガサとコンビニ袋がなるのを聞きながら和歌コーラに口をつけた。
    「おい」
     あ、気づいたみたいだ。
     僕はごくりとコーラを飲み込んでから、何? と聞き返した。
    「煙草買ってきてくれるって言ったよな。どこが煙草だよ」
     KKがココアシガレットを手にして非難の声をあげる。
    「シガレットっていうくらいだから煙草じゃない?」
    「菓子だろ、これは」
    「子供の頃これで煙草吸ってるふりして遊ばなかった?」
     僕はKKの手からココアシガレットを奪って中身を取り出した。袋に入ったシガレット型のそれを一本抜き口に咥える。
    「KKいつもこうやって吸ってるよね」
     人差し指と中指でシガレットをはさみ、ふーと煙を吐く仕草をする。
    「そんなんじゃねぇよ」
     不服そうなKK。
    「じゃ、お手本見せて」
     言って、手にしていたシガレットをKKに咥えさせた。
    「たく、しゃーねーな」
     こうすんだよって咥え煙草で言ってからシガレットを指ではさむ。人差し指と中指の間にシガレットをはさんだときに手の甲に浮き出る骨と筋。薬指と小指は口元を覆うように緩く曲げている。この仕草、好きなんだよね。つい目で追ってしまう。
     シガレットを口から離し、ふーっと息を吐く。その薄い唇に口付けた。唇を舌でなぞるように舐める。甘い。ちゅっとわざと音を立てて唇を離す。唾液で濡れた唇が蛍光と灯りでぬらぬらと光っていた。
    「ココアシガレットって、ココアの味あんまりしないね。ハッカ? の風味の方が強い気が……」
    「おまえ……今言うことかよ」
     がくりとKKが項垂れる。
    「何? 期待した?」
     巫山戯た調子で聞けばKKがじとりとこちらを睨む。
    「悪いかよ」
    「悪くないよ」
     僕は笑ってもう一度KKの唇を奪う。薄く開いた口に舌を侵入させれば、相手も待っていたとばかりに舌を絡めてくる。煙草の苦味とココアシガレットの甘味が混ざった複雑な味のキス。唇を離すとつーっと銀糸が引く。名残惜しそうに突き出されたKKの舌をちゅっと吸ってから濡れた唇を拭った。
    「KK、今日は世界禁煙デーだって」
    「……だからココアシガレット?」
     僕は頷いた。
    「今日だけ禁煙頑張ってみない? 煙草吸いたい時はこれで我慢してさ」
     僕はココアシガレットを指さした。
    「たまにはココア味のキスもいいでしょ?」
     僕が言うと、なんだよそれってKKが笑った。
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    リョウ

    MOURNINGED後みんな生きてる世界線なのに幸せにならなそうな暁→→→→→Kくらいの暁Kです。
    病み気味な闇思考暁人くんの思考がうるさい話。需要はないだろうけど思いついてしまったから書きました。供養!
    繋がらない想い 繋がれた糸「僕はKKのことが好きです。付き合ってくれませんか」
     アジトの一室。夜もすっかり更けて室内には僕とKKだけしかいない。
     なんの捻りもない愛の告白を口にすれば、KKの目が見開かれた。けれどそれはほんの一瞬で、彼は目を細める。
     ついにきたか、とでも思ったのかな?
     そんな風に邪推してしまうのは、僕がKKに気があるということをあからさまに態度に出してきたから。

     あの事件の後——まるで何事もなかったかのように僕らは渋谷に戻っていた。みんな生きたまま。こういうのを奇跡と言うのだろう。そして、生身のKKを目にした僕は決意したんだ。絶対に彼を離しはしないと。
     適合者になった僕はKKのアジトに出入りするようになった。事件以降、頻度は落ちたとはいえ怪異は起きる。今まではKKが一人で解決していたみたいだけれど、無理をしていたのは明白だ。だから僕は手伝いを申し出た。KKは態々面倒事に首を突っ込むなって反対していたけれど、凛子さんが僕の援護をしてくれた。一人でやれることには限度がある、でも二人ならって。なにより、あの夜の実績が大きい。その話を出されたらKKもNOとは言えなくなったみたいで、試用期間の条件付きで仲間に加えてくれた。
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