嘘吐き、本当はね?バンっと机を叩いて、カガリは立ち上がった。周りを囲んでいたオーブの重鎮たちは少し息を吐いた。彼女が怒っているのが判っているからだ。
だが、決めてもらわねばいけない事だった。
「・・・いい加減に決めて下さい。貴方の結婚相手を」
「だから!!結婚はしないと言っている!!私は・・・!!」
「・・・キラ殿が好きだから、結婚しない、などと通らないですよ」
ピシャリと年長の者が言い放ち、その場に冷えた空気が漂う。
キラはカガリの血の繋がった弟だ。先の大戦ではMSを駆りこの世界の平和を護ったとされる英雄として名高い。
カガリはずっとキラが好きだ。恋愛的に、盲目的に、愛している。オーブの限られた側近たちはその事を知っていた。
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