蒼天に風花舞いて「忘機の友人はやはり君だったか……」
「お久しぶりです」
藍曦臣の姿を目にしたのは随分と久しぶりだった。射日の征戦が終わり、妖の骸を社に封じた時以来である。親しいとは言えるほどの関係ではなかったが、魏無羨を気にかけてくれていたように思う。
藍曦臣は他に方法はないか、最後まで他の宗主たちに掛け合ってくれた。屍を操る魏無羨は修士たちに忌避され、うろんな目で見られることの方が多いというのに。
藍曦臣は最後に目にした時と何ら変わっておらず、纏う春風のような雰囲気も同じであった。その面差しは歳の差はあれど、兄弟故か藍忘機とよく似ている。藍忘機が成長すれば恐らく藍曦臣と瓜二つになるに違いない。
もっとも、藍曦臣が春風ならば藍忘機は寒風だ。よく似ているのに纏う気配と雰囲気は余りにも異なっている。
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