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    ムーンストーン

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    ムーンストーン

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    アルキード王国滅亡の日にディーノを守った人もいるから、ダイは生き延びたんだよね、という過去妄想&モブばかりのお話です。
    バランとソアラに最悪な対応をした国王も一応孫に対する情けはあったし、無事?国外追放されたらそれなりの身分を保証されていただろうと妄想しました。

    #ダイの大冒険
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    #ダイ
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    #ディーノ
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    #バラン
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    #ソアラ
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    #モブ
    Mob

    ディーノの祖父であること〜反抗アルキード王国の嫡女たるソアラ姫の守役を拝命していた男は、姫の出奔と共に解役され王城への出入りを禁止された。

    今は元貴族となった、クリスと呼ばれる男はソアラ姫がその御子と共に連れ戻されたと聞き、厚顔無恥にも王城へ押しかけ王に面会を申し込んだ。

    御前を穢すなど言語道断と撥ね退けられるが一向に諦めず王の私室の前で座り込む姿は、解役された時の潔さとは別人のようだった。
    「そちは頑固者だ。ソアラの為に働く時は更にな」
    王は諦め顔で面会を許し、程なくクリスは望みの内諾を得た。

    それから直ぐに彼は地下牢へ行き、かつて姫を連れ去り今度は大人しく投降した男、バランに姿が見えぬ位置から話しかけた。

    「私の三男は国外のさる貴族に文官として仕えております」
    「武官の家に生まれたが荒事が苦手で、気が優しいだけの子だが夫婦仲は良いのですよ。ただ長年子に恵まれなくて」

    バランの気配が僅かにゆらいだ。

    「王に願いでてディーノ様を養子に賜わる許しを得ました」
    「明日の朝ディーノ様と共に出航し、二度とこの国に戻りません。……私にできることはこれだけです」
    バランは最後まで声を発さなかったが気配の棘が幾分薄れたのが返答だろうとクリスは思った。

    翌日ディーノ様を養子先へ送り届ける船の上で、そろそろ処刑の刻限だろうとクリスがアルゴ岬を振り返った時、世界は白く染まった。

    万雷が耳元で炸裂し、客船としては大型にあたる船がバルジの大渦に投げこまれた木の葉のように揉みくちゃにされる。

    咄嗟に揺り籠にしがみついて海に諸共放り出されるのを防ぎ、荒波がおさまってからアルゴ岬の方を再度振り返ると、天に届かんとする白い雲の柱が屹立していた。
     
    「神よ…」「何があった!」「早くアルキードに戻ろう!」
    船員や警備兵らが口々に叫ぶなか、幼子の火がついたような泣き声が続いた。

    「いや、ディーノ様を目的地へお連れするのが先だ」

    警備隊長が一喝し、今は王命中でありディーノ様は国外追放の身ゆえアルキードへ戻れば処刑される可能性がある、といえば皆黙るしかなかった。

    白い雲の柱がゆっくりと姿を変えていき、破れた帆を張り直しているといつの間にか幼子は泣きつかれたのか眠っていた。

    夕闇が迫る頃には船員の鋭い感が嵐の予兆を捉えており、慌ただしく荒天の対応に向った。

    クリスはそれをみて、赤子を抱いたままオロオロしている乳母を船室に入れて、
    「乳母殿、今の内にディーノ様に乳を差し上げて下さい」
    と言いながら揺り籠を持ち出した。

    そのまま甲板へ向いながら、幼子を守るべく避難用の小舟に乳母と、年寄りな私より体力があり冷静な判断力を備えた警備隊長を乗せる方法を考える。

    今日ディーノ様は父と、恐らくは母を失った。神はその上幼子の命まで奪おうというのか?

    今日祖父となったばかりだが、私は最後の一息まで孫を守ってみせよう。
    私はアルキード国王も認めるほど頑固で諦めが悪いのだ。

    神の恩寵を自ら見限り、敬虔な信徒として常に持っていた聖なる守りを荒れはじめた海に投げ込んで、クリスは揺り籠を避難用の小舟に固定し、雨避けをするのに必要な物を集める。

    増々波のうねりは強くなり、遠くから雷鳴が近づく。全てを滅せんとする天の意思が嵐になって押し寄せてくる。

    神よ。これが運命というならばディーノ様、いや我が孫ディーノの為に最後まで抗おう。

    嵐が、運命がやってくることを知らずディーノは眠り続けた。
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    ムーンストーン

    DONEダイの大冒険 リア連載時から疑問だったバルトスの敵討ちについて書き連ねました。
    以下バルトスファンとヒュンケルファンには申し訳ない話しが続きますが個人の感想なのでお許し下さい。

    ハドラー(造物主)のから信頼より子への愛情を取って責任追及された事をメッセージに残す=ハドラーへ遺恨を残すことになりませんかとか魔物と人間とは騎士道精神は共通なのねとか。
    ダイ大世界は生みの親〈〈〈育ての親なのかも。
    20.審判(ヒュンケル/ランカークス村)〜勇者来来「勇者が来るぞ」
    「勇者に拐われるから魔城の外に出てはならんぞ」
    懐かしい仲間たちと父の声が地底魔城の地下深く、より安全な階層に設えられた子ども部屋に木霊する。
    この世に生をうけ二十年余りの人生で最も満ち足りていた日々。
    ヒュンケルがまだ子どもでいられた時代の思い出だ。


    「暗くなる前に帰んなさい!夜になると魔物がくるよ!」
    黄昏に急かされるようにランカークス村のポップの家へ急いでいた時、ふいに聞こえてきた母親らしい女の声と子供の甘え混じりの悲鳴を聞いてヒュンケルとダイは足を止めた。

    ヒュンケルが声の主はと先を覗うと見当に違わず若い母親と4〜5才の男の子が寄り添っていた。
    半ば開いた扉から暖かな光が漏れ夕食ができているのだろうシチューの旨そうな匂いが漂う。
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    ムーンストーン

    DONEダイの大冒険 ナバラによるアルキード滅亡の日の回想です。
    テランの人口が急減した理由の一つに理不尽すぎる神罰があったのではないかと思います。
    あの世界の殆どの人は結局アルキードが何故滅びなければならなかったのか知らないままだから神の力の理不尽さに信仰が揺らいだ人も多いと思います。
    夢から覚めた日〜ナバラ「あの日」のテランは雲一つない穏やかな陽気だった。

    暑くもなく寒くもなく、洗濯日和と言わんばかりの優しい風が吹きすぎる。
    そんなうららかな日だというのに何時にないむずがりかたをするメルルにナバラは朝から手を焼いていた。

    「いつもお利口さんなのに今日はご機嫌ななめだねぇ」
    女所帯のナバラ達を気にかけて何かと助けてくれる近所の若者、ドノバンがあやしてくれたが更に大声で泣いてメルルは家の中に駆け込んでしまった。 
    「全くだよ。せっかく忙しいお兄さんが遊んでくれたのに」
    悪いねぇと詫びるナバラに、たまにはそんなこともありますよと気の良い笑顔を向け、若者は花と香炉の入った籠を取り上げ竜の礼拝所へ朝の礼拝に向かった。

    「全く信心深い子だよ。テラン人の中でも朝晩欠かさず竜の神殿に詣でるなんてあの子位だ」
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