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    むくげ

    @yomehiwa

    UNDERTALE沼に頭のてっぺんまで浸かり中。CP厨故に推す時はCPで推す。サンフリ・アズキャ好き。微ケモナー。

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    むくげ

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    またお尻を引っ叩いて貰えませんか…
    フリの成人お祝い続き。サンフリになる予定ながら、ここからどうやってフリを口説いたものか悩ましい。

    #サンフリ
    #frans
    #undertale

    「よう、もうホームシックかい?」
     突然真隣から聞こえた声に、フリスクはハッと振り向く。細長いグラスを片手に、もう一方の手ではベンチの手すりで頬杖をついて、まるで一時間前からここで寛いでいたかのような様相のサンズがそこにいた。
     驚いた顔のフリスクを愉快そうに眺め、グラスの中で小さな気泡が上がる黄金色の飲み物をゆらゆらと揺らしている。
    「違うよ」
     涙を見られたことと、驚かされたこと、そのどちらもがフリスクには気恥ずかしい。急いで目の端に残る涙を手で払い、サンズが寄りかかる手すりとは逆の方の手すりに少し寄りかかるようにして、サンズから距離を取った。
     実のところ、フリスクは今日…いやもう何ヶ月も前からサンズを少し避けていた。決して意地悪でということはない。むしろ、その逆の理由で。
     ずっとずっと前から上手くいかないのだ。サンズの前でいつも通りの自分でいようとすればするほど、変に力が入ってしまう。コップをひっくり返したり、声がやたらと大きくなったり、余計な一言を口走ったり。
     あらゆることのタイミングも良くない。服選びを失敗したと思った時にばかり顔を合わせてしまうし、忙しくて汗だくになって這々の体でグリルビーズに辿り着いた時ほどサンズが隣に座る。家に帰ってから何度脳内反省会を開いたことか。あれは最悪だった。なんでこんな時に。そんなことばかりだった。
     理由は簡単。サンズに良いところを見せたいと無意識に気を張ってしまっているからだ。そしてそれは、フリスクがサンズに恋をしているからだ。
     思えばずっとずっと子供の頃からサンズのことは特別だった。何かをしようとする時、決断を迫られた時、サンズならどうするだろう?サンズなら何て言うだろう?が頭に浮かばないことはなかった。
     単純な憧れがあったのだと思う。どんな状況でも彼は飄々としていたし、下らないジョークやとぼけた態度でその場の空気を変えてしまう。面倒くさがってサボっているかと思えば最後には帳尻を合わせてくる。下手な軋轢を生ませず、時には自分ばかり悪く言われることになろうとも、なんだかんだで大丈夫な方向へ持っていく。
     親善大使として活動をしていく中で、その「ちゃっかり」具合をフリスクはいつの間にか目標にしていた。
     そうして目で追ううちに、瞼の裏にサンズを思い浮かべるうちに、育っていた恋だった。
    「子供の成長は早いもんだな。アンタなんてこーんな、マメツブみたいに小さかったのに」
    グラスの細い脚の部分を骨の指でカツカツ鳴らしながら、サンズが感慨深い様子で言う。
    「さすがにそこまで小さくない…」
    呟いた文句は風の音に消されてしまいそうに小さい。これ以上ボロを出したくないという気持ちと、恋する相手と二人きりが嬉しい気持ちがぐちゃぐちゃに混ざってしまっていた。
    トリエルと暮らしたこの家とスケルトン兄弟の住む家は所謂ご近所さんだ。これまで何度となく互いの家を行き来したし、サンズのいうマメツブ時代にはお泊まり会だって何度もした。電話をするより尋ねてしまおうかと思い立つくらいの距離だった。
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