「キャラは、かあさんが嫌い?」
「………得意ではない」
「どうして?」
「…何でも説明しようとするだろ。言い聞かせるというか…子ども相手みたいに」
そう言うキャラがどこか拗ねたように見えて、ボクは思わず吹き出してしまった。眉を上げたキャラがジロリとこちらを睨む。
「何がおかしい?」
「子どもみたいって…子どもじゃん!」
ボクの言葉に、キャラはびっくりしたみたいだった。大きな目をぱっと開いて、聞いたことがない言葉を聞いたみたいにポカンとしている。
「確かにかあさん、ちょっと口うるさいところがあるよねぇ。昔、学校の先生になりたかったらしいし、教えたがりはそのせいかも」
「でもかあさんは、キャラのことすっごく好きだよね」
「毎朝かわいいって言ってるし、キャラのご飯の好みとか知りたがるし。キャラが結構勉強熱心だから色々やりたくなっちゃうんじゃない?」