そういえば昨年のことなんだけど…未だに夢に見ることがある。
昨年の春先のことだ。
その日、私は夫に幼子の世話を任せて久しぶりに夜の繁華街に飲みに出掛けた。
1人だったがそこそこ賑わっている小さな飲み屋で常連や店主と打ち解けて楽しい時間を過ごしていた。
ふと御手洗に席を立ち、戻ってみると先程まで一緒に騒いでいた他の客が半分ほどに減っていた。
店主に尋ねると終電が近いので急いで会計を済ませて帰ったのだと言う。
私が今まで暮らしていた地域は午前1時過ぎまで電車があり、まだ終電には早いのではないかと思いながらスマートフォンを開くと、そこは繁華街とはいえ地方都市。私の想像より遥かに早い時刻に最終電車が来てしまうことが分かった。
蒼白になった私に驚いた店主が急いで会計をしてくれて、ヘロヘロに酔った私に駅までの道程を早口で説明する。
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