ミラーリング #15-2「二十八人の戦士」 クー・フーリンが不気味な気配に気づいたのは、偶然だった。
肌の表面がざわざわと泡立つような、おぞましい感覚。
すぐに槍を掴んで飛び起きると、クー・フーリンは口元に指を当て、ロイグに声を出さないように伝えた。
そっと茂みをかきわけて周りの様子をうかがっていたとき、うごめく巨大な軍団が浅瀬に現れたのが見えた。クー・フーリンは顔を歪めた。
「カラティンとその息子たちだ」
ロイグも並んで、幼なじみが見ているものを見ようとした。
クラン・カラティン。「二十八人の戦士」と称され、父のカラティン・ダーナと、彼が率いる二十七人の息子たちから成る戦闘集団だ。
そして、彼らの後ろをひっつくようにしてついてくる小物がいる。おそらく、孫のグラス・マック・デルガだろう。
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