その一歩を踏み出す時は、今。ガラガラと、スーツケースを引っ張りながら、早歩きで歩く。
(……確か、ここら辺のはず)
連絡されていた待ち合わせ場所の付近まできて、辺りを見渡す。
と、見覚えしかない愛しい金色が、此方に走ってくるのが見え、咄嗟に両手を広げた。
「っ、おかえり、類!」
「うん。ただいま!司くん!」
満面の笑みで抱きついてきた彼を、僕は受け止めて同じように抱きしめ返した。
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「相変わらず司くんの家は綺麗だね」
「忙しくはあるが、やはり目に見えている範囲が汚いとモチベーションが下がってしまうからな。というか、類は早く家を見つけろ?」
「はあい」
合流した後、存分に抱きしめあった後、僕は司くんの家でディナーを堪能していた。
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