凛と一緒(4) 今更ながらではあるが。凛はとてもモテる。顔が良くてサッカーも上手ければ、女子が黙っていないのも無理はない。前の学校でもモテていた筈だと潔は推理し、部活帰りの途中で、実際どうなんだよと尋ねたところ、本人は知らねえとばっさり切り捨てたけれども、絶対にモテてた筈だと仮定した。でもサッカー馬鹿の凛が多田ちゃんらのように彼女がほしいだのモテたいというだのの欲望を持ち合わせていないのを知っているので、モテていたという自覚が本人には無いんだろうと考察する。凛の頭の中は基本サッカーしかない。
どうしてこのような話の流れになったかというと、全てはあの体育祭にある。あの後、凛の人気が急上昇したからだ。今一番モテる男は誰かと聞くと、間違いなく糸師凛である。あの奇跡的プレーが全学年女子の心を射抜いたのだ。潔もまたこれまでほとんど話したことのない女子生徒から話しかけられることが倍増した。ほとんどが凛との橋渡しだ。頼まれたら断ることのできない潔は凛宛のラブレターを手渡す役回りになっていた。凛は全て拒否したけれども。
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