一般人とは住み分け大事だよねそれはとんでも無い血鬼術だった。鬼の首は斬り落としたものの、その異常なまでの執念で消え失せる間際に放たれたそれは、不死川の脳におびただしい量の知識を流し込んだ。思考の目まぐるしさに頭を抱えて蹲る。不死川はある一つの言葉が気になって仕方がなかった。
「さねぎゆ」
その言葉と共に頭の中に現れては消える見たことも聞いたこともない文書や絵、それらは全て己が嫌いだと公言している冨岡とのものだった。あの澄ました顔で人を見下した様な発言をするいけ好かない男は、その作の中では不死川に好意があり可愛らしく頬を染めたり泣いたり笑ったり表情がとても豊かだ。
挙げ句本当は言葉足らずで消極的で末っ子気質だと言う。にわかには信じられないそれらは、しかしこれまでの冨岡の言動を思えばストンと納得のいくものだった。ではここ最近冨岡がおはぎを持ってしつこく追いかけ回して来るのは馬鹿にしている訳では無く、本当に己との仲を良くするためだと言うのか？

こいつらのゲーム実況見たい宇髄に騙されるようにして始めたゲーム実況が上手く行き、良い頃合いだと宇髄が顔出ししたらそこから更に再生数や登録者数が伸びてしまいしょうが無くマスクして顔出しすることになった不死川君。
どちらもガタイが良い上に男前だったため多くの男性視聴者からは裏切り者扱いを受けたが実況内容が男性向けだったのが功を奏し、その人気は維持し続けていた。
今日は理由があって冨岡とルームシェアしてる己の部屋で撮影することに。本日の作品は龍が○く。ごりごりの漢ゲームであった。

宇髄「っシャア女王様！」
実弥「やるじゃねぇかいい女ァ」

今日は冨岡の帰りが遅いと油断していた二人。背後に何やら人の気配があり驚いて振り返ると黒目がちな目をパチパチさせてしゃがんで見てる義勇がいた。二人の活動を知らない仲ではないが、こうして改めて見られると結構恥ずかしい。