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    rinkokonoe

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    rinkokonoe

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    現パロ塚橋
    和さんが発熱してしまってたろちゃんがおじやを作って一緒に食べるお話

    お出汁の匂い和さんが熱を出してしまったと連絡が入った
    仕事が終わったらすぐに家に行けるよう考えながら仕事を進める
    早く定時にならないか、そんな事を考えながらなるべく早く終わるよう、整備の手を早めた

    スーパーで買い物をして、薬局でアイスノンを買ってから早足で和さんの家に向かった
    部屋の鍵を開けると寝室を覗きに行く、今は寝ているようだ
    ひたいに触れると熱い、やはりまだ熱があるようだ
    すぐに手洗いとうがいを済ませてからアイスノンを洗って冷凍庫に放り込む、少し硬いが凍った保冷剤をタオルに包んで急拵えの熱冷ましを作る
    そっと部屋に戻ると和さんを起こさないように首の下に熱冷ましを挟み込んだ
    少しは時間稼ぎにはなるだろう、そう思いながら汗を絞ったタオルで拭き取って一息つく
    薬は、飲んでいるようだ
    早く熱が下がってくれればいいんだけれど、そう思いながら俺はリビングのソファーで眠りについた

    早く目がさめてしまった、アイスノンが冷えているだろう、それを持って和さんの部屋に行く
    すうすうと寝息を立てている和さんは昨日よりも良くなってきているような気がする
    そっとアイスノンにタオルを巻いて首の下に挟み込むと、熱を測った
    平熱より少しまだあるけれども、幾分かマシだろう
    きっと起きたら腹が減っているだろう、そう考えながら俺は台所に向かって行った

    昨日スーパーで買ってきた長ネギと卵を取り出すと細かく刻む
    二本分、たっぷりとネギを刻み終わったら鍋に放り込んでから目分量で水を入れる
    そこに冷蔵庫から顆粒出汁を取り出してこれまた目分量でふりかける
    火をつけると煮立つまで少し時間を置いておく
    冷凍庫にご飯はあっただろうか、ガサガサと漁るとラップに包まれた白米が二つ分出てきた
    これを使おう
    煮立てば後は簡単だ、凍った米をそのまま鍋に入れて一煮立ちさせる
    その間に麺つゆで味を軽くつけてから、隠し味に砂糖を少しだけいれる
    くつくつと馴染んできたら手早く溶いた卵をくるりと鍋にかけいれる
    少しだけおたまで混ぜたら火を止めて完成だ

    「和さん、和さん」
    「ん、たろ…うか」
    おはようございます、体調はどうですかと和さんの隣に座って様子を伺う
    「昨日より、幾分かましになったな」
    「良かったです、心配しましたよ」
    和さんは働き過ぎてしまうから、と言いながら彼のまだ赤い頬に触れる
    ん、と瞳を閉じた和さんが甘えてくれる
    「そうだ、俺飯作ったんです食欲はありますか?」
    「あっさりした物なら」
    丁度いいもの作ったんです、そう言って台所からおぼんにのせた鍋と茶碗とスプーンを持ってくる
    「ああ、いい匂いだなぁ」
    「俺が熱出した時に、よく母さんが作ってくれたんですよ」
    蓋を取ると出汁の香りが部屋に広がる
    ごくり、と和さんの喉がなった音が聞こえた
    「とりあえず最初は少なめで」
    スプーンに軽く救ってふーふー、と息をかけて冷ます
    「はい、和さん」
    「ん、はふ…」
    もぐもぐと、ゆっくり咀嚼されるおじやがごくんと飲み下されてゆく
    「うまい」
    「良かった、沢山作ったのでいっぱい食べてください」
    またふーふー、と冷ましていると慣れているな、と和さんに言われた
    「弟達が熱出した時、よくこうしてたんです」
    あ、嫌だったらすみませんそう謝ると頭を撫でられた
    「太郎は、しっかり者だな」
    「和さんには敵いませんよ」
    ふふ、と笑い合いながらおじやを食べ終えた
    俺も残ったおじやを食べた
    母さんの味がした
    「お薬飲んだら、一緒に寝ましょ」
    「移ったらどうするんだ」
    その時はその時です、そう言って和さんの頬に口付けをする
    急いで洗い物を済ませると、和さんの布団に潜り込んだ
    「狭いな」
    「すみません」
    くっつけば、大丈夫です
    優しく和さんを抱きしめると、ぽん、ぽんと背中を優しく叩いて寝かしつける
    「ふふ、太郎の弟になったみたいだ」
    「こう見えて、寝かしつけは得意なんですよ」
    元気になったら、美味しいもの食べましょうね
    そう言ってすり、と和さんの背中を撫でる
    うん、と言った和さんはそのまますうすうと寝息を立て始めた
    ああよかった、と胸を撫で下ろしながら俺も眠気に誘われる
    おやすみなさい、とひたいに口付けをすると俺も眠りについた
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