リアルを愛して(あ、いた…!)
学園内の図書室にてペンを走らせる【彼】の姿を見つけてゆっくりと近づく。隣か正面か迷って正面に音を立てないように座る。真剣な表情がよく見えて思わず見入ってしまう。
「ひだまりの……かみ……」
「ん?」
ふと、マティスくんの顔が上げられ私と視線が交錯する。
「……せ、セレス、さん…?」
「うん、こんにちはマティスくん」
「こ、こんにちは……」
へへ、と照れ笑うマティスくんの笑顔が可愛くてきゅう、と胸が締め付けられるようだった。
「執筆作業は順調?」
「う、うん…でも、まだ…キリがよくないから…」
「キリがよくなったら読ませてくれますか?」
「う、うん…というか、僕から…お願いしたい、です」
「はい!私はマティスくんの物語の大ファンなのですごく嬉しいですす!」
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