二人のハッピーエンド(イザマイ)※本誌277話ネタです
東卍に捌番隊ができたてからというもの、万次郎はイザナを誘ってバイクで走りに行くようになった。
今日も冬の青空が頭上に広がっている。
真一郎がよく走った海沿いの道は二人もお気に入りだった。
あの頃の万次郎は、真一郎のバブの後ろに乗ることしかできなかったけれど、今はイザナと肩を並べて走っている。
そうして二人で走るとき、行先はいつも同じだ。
万次郎がイザナと初めて出会った堤防だ。バイクを停め、二人はコンクリートの壁にひらりと飛び上がる。
休日の海は船の行き来も少なく、海鳥ものんびり飛んでいるように見えた。
昼の日差しは柔らかく二人に降り注いでいる。
イザナは隣で黙ったままだ。
万次郎と二人きりの時は、イザナはあまりしゃべらない。
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