書きかけてやめたお健全な玲マリちゃん おでこへのキスが二度。唇へのキスは一度だけ。何度指折り数えてみても、大好きな彼の唇に触れた回数は増える気配がない。確かに想いを伝え合って恋人同士になれたはずなのに、こうも乾いた日々が続くと、あの教会での告白は夢だったのではないかとすら思える。美奈子はため息を一つ吐いた。
すると、すかさず隣から響いてくる、低く優しい声。
「どうした? 何かあったか?」
耳朶を震わせるその響きと、手のひらを包み込む彼のぬくもりが、目の前に広がる景色が夢ではないことを伝えてくれている。そう、これは夢じゃない。教会での告白もファーストキスも、久しぶりの遊園地デートも、隣で手を繋いでくれている玲太の存在も、全て現実のものとして、今という瞬間に続いている。
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