夢は……?遠い昔のお話です、ある小さな国にリツカという清らかで美しい男の子が父親と共に住んでいました。リツカの父は、母を早くに亡くしてしまったリツカに沢山愛情を注ぎ育てました
しかし父は母が居ないことを不憫に想い、再婚をしました。2人目の母…継母はリツカと同じぐらいの年齢の2人の女の子を連れていました。名前はアナスタシアとコルデーといい、彼女たちはリツカのことを大変気に入り愛をこめて接していました
ある日のことです。リツカの父が急病で亡くなってしまった大雨の日、あの日から継母が本性を表し始めたのです。継母の娘達…リツカの姉達はリツカを気に入っていましたが、継母はリツカの美しさや気品の高さを妬みことある事にいじめ、罵りました。そして全ての家事を彼に押し付け、継母は贅沢をして暮らしていました。姉達はそんなリツカのことを哀れに思い、少しずつではありますがバレないように手助けをして暮らしていました
ある日、リツカが17歳になった年のことです。成人したばかりの国の王子様…シャルルマーニュの婚約者を選ぶ舞踏会が開かれると、国中に伝達されました。その舞踏会に参加する資格はただ1つ、【国民であり、未婚の娘であること】です。リツカは舞踏会に心惹かれましたが、彼は男の子なのでこの舞踏会には参加できませんでした。継母はその事を大層喜びましたが、アナスタシアとコルデーはそれを良しとせず、どうにかして連れて行けないかと画策していました……が、リツカ自身がそれを拒み、「留守番をしているから、姉様達は楽しんできてください」と告げました。姉達は悲しみましたが、こうなるとリツカはテコでも動かないほどに頑固になってしまうので、連れていくことを諦めました。
そして継母と姉達が出発したあと、日課の裏庭の掃除をしていると……リツカに不思議なことが起こりました。物語はここから始まります