改めて感じた、彼はかっこいいとこれは先日のお話の続きに当たる物語
クラスの出し物の結果によりメイド服を着て接客をしていた藤丸立香とシャルルマーニュは、学生の特権として休憩時間中に学園祭を巡っていた……そんな時に起こったハプニングの話である
【2人の休憩時間中、学園内にて】
「んんーっ、やっと一息つけるな…って、リツカ、歩ける?」
「歩けるよ?もう慣れた…下心出さないで、見えてるよ」
「ううっ、今日のリツカ厳しいなぁ……ごめんって、沢山奢るから許してくれよ〜」
「………むぅ。じゃあ、裏山の麓でやってる野球部の出店に連れてって」
「裏山のあそこだな、おっけー!」
そう、この学園祭の裏手には大きな山がある。そこにはたぬきや狐・鳥や猫に加え、時折蛇が出るとか何とか……。そこで鍛錬を行う運動部の生徒やスケッチのために訪れる美術部員など……結構色々なことに使われている。本当は学園設立時に崩して平にする予定だったのだが…町内会からの猛反対により山は残すことになり、その代わりに学園の生徒は山の自然形態を崩さない範囲内で利用可能という取り決めが成されたのだ。今回の学園祭の出店もそのひとつで、野球部がとある漫画にあった学園祭での出店、山奥のカフェを実現しようとしていたらしい。山奥ではさすがに許可が降りずに麓で開催しているが……そのクオリティはお墨付きでとても評判がいいという。それが気になって仕方がなかった俺はシャルルに連れていってもらうことにしたのだ。ただ、メイド服のまま行くのはものすごく不服だ……宣伝になるのは百も承知だし悪くは無いと思うんだけど…うぅ……
「なぁリツカ〜、そろそろ機嫌直してくれよ……な?」
「むぅ、かっこよく着こなせてる君に言われてもなおりませーん、早くご飯奢ってくださーい」
「……もしかしてお腹すいてるだけ?」
「そうだよ?……もう、あの後可愛いって言ったことに対しては不問にするって言ったじゃん」
「そういえばそうだったな……リツカ可愛すぎて抜けてたわ……悪ぃ」
「今言ったからジュース1本追加ね」
「まてまて!?その追加ルールは聞いてないぞ?!」
「抜けてたんでしょう?俺の話、ちゃんと言ったんだけどな〜?」
「ぐっ……これは俺の落ち度だな……わかった、ジュースな!」
「…………ごめん、嘘。言ってないよ、シャルル」
「おいーっ!…でもいいよ、リツカ。アンタと一緒に回れるのが何よりも嬉しいからさ……それに、彼氏として奢らせて?」
「んぐっ…ずるいよ、シャルル……そんなこと言われたら奢られるしかないじゃん……」
そんなこんなでいちゃつきながら、時にはからかいながらロングメイド服を身にまとった彼らは野球部の出店が出てる山の麓へと向かったのだった
なおこの時何人かの生徒が胸焼けを起こし保健室へと向かったことに彼らは気づいていないようだった