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    しろま

    @shiroma_klir

    カルイル好き。
    最近は先生ばっかり。

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    しろま

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    魔フィアifでバニークラブ。
    ふらりとやってきたダリ先生のお買い物。
    カルイルでダリイルでダリ→カル。
    ちょっと重めで弱々ダリ先生でごめんなさい💦

    バニとタ”リ 1「一億出そう」

    従者の名を呼び、パチンと指を鳴らして男は言った。
    アイボリーホワイトの肌を彩るのは、砂色の睫毛とサラサラとした猫毛の髪。

    目尻は下がり気味で、瞼が上下に開いて現われるのは、同じ色合いでやや濃い目の瞳だ。
    口調も尖りなく柔らかで、耳に心地よい。

    笑みも相まって、全体的に色素が薄く線が細い。

    「オトンジャ、カルエゴ君の前に出してあげて」

    うねり髪の従者が、携えていたアタッシュケースをテーブルに置く。
    重みと頑丈さを響かせ、ロックが開かれた。

    「これでいいかな?カルエゴ君」

    目の前に示されたのは、皺も折り目も無い紙幣の塊だ。
    ソファに深々と身を沈めていたカルエゴは、ゆっくりと身を乗り出し腕を伸ばした。

    ケーズにぴっちりと敷き詰められた札束の一つを掴み取り、帯を解き、慣れた手つきでバラリと開く。
    黒い革手袋をはめたまま、長い指が女の頭を撫でるように滑った。

    「確認させてもらう。返事はそれからだ」

    カルエゴの後ろに控えていた赤髪の男と、顔に火傷跡のある男がカルエゴの前に出てくる。
    手際よく札束を取り出しては積み上げ、一つ一つを緻密な目つきで見分した。

    紙の擦れる音と繊細なメロディーだけが、耳に聞こえる。
    飴色のウィスキーに溺れた氷が、カランと一つ揺れた。

    「確かに一億だ」

    トン、と最後の一束が積み上げられると、紅い4つの瞳がカルエゴに向けられる。
    俄かに緊張が走り、誰もが固唾を飲み、瞬き一つ出来ないでいた。


    ここは、高級クラブの最奥にあるテーブルだ。
    華やかで艶のある音楽に包まれ、出迎えるのは見目麗しい兎達。
    色も姿形も多様な兎の群れに身を委ね、酒に酔い、音楽にも酔い、夢幻の甘い香りに惑わされ。
    妖しい誘惑に欲望が引き摺り出されても、此処なら、金を積めば大抵のことは叶えられた。

    早速、貪欲な申し出を、厳粛な支配人であるカルエゴに直訴する者が現われた。
    威圧的なオーラと鋭い目つき、他者を寄せ付けない口調から、誰もが一歩どころか数歩の距離を置いている。

    薄く細い印象のせいか、支配人の威圧は男の元に留まらないのだろうか。
    平然となされた申し出から、誰もが目を離せないでいる。

    鎮まり帰った店内に、低く滑らかなカルエゴの声が響いた。

    「では、今宵一晩。当店随一の蒼い兎を貴方様の元へ」

    カルエゴは立ち上がり、ソファの後ろに控えていた青年の元へと歩み寄った。
    二十歳前後に見える、青い髪を束ね眼差しにあどけなさが残る青年だ。

    程よく筋肉のついたしなやかな肢体であることは、丈の短いホットパンツからすらりと伸びた脚でよく分かる。
    目線を上げると、鍛えられた張りのある躰にブルーグレーのベストを纏い、丸い顔で朗らかに笑っていた。

    ベストとホットパンツの隙間の、曝け出された腰に革手袋の指先が伸びて行く。
    カルエゴは青い髪、青い瞳の兎を抱き寄せると、首筋に顔を寄せた。

    きつく結ばれていた唇が開き、青い髪の生え際のあるうなじへと静かに触れる。
    青年の身体が僅かにぶれた。

    そのまま抱きしめ、耳元で一言二言を囁き、襟の少し上側に濡れた赤い跡を残す。
    青年は一つ頷くと、砂色の男の前で跪いて見せた。

    「よろしくお願い申し上げます。ダリ様」
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