言葉でも伝わらないもどかしさはある魚人星
コミュニケーションは超音波
イタズラ好き
両性具有
大使館から案内されたのは魚人星の第二王位後継者
歳は十代
土方とは筆談
魚人星は雌雄が無い為好きな人となんの壁もなく結ばれるとの話に「この星では…全員が全員歓迎される事も祝福される事もまだ難しいのです」と土方
その顔にピンとくる第二王
でも身分の差で結ばれない恋はあると言う
お互い頑張ろうと励ます王
この星の者とコミュニケーションを円滑にするには声を借りれば出来ると言い
魚人星の珍しい貝殻に声を吹きかけ土方から声を奪う
奪った土方の声で地球の事を色々聞いて回る第二王
その声に反応する銀時、そして困惑
銀時が自分の声に反応した事に王がまたピンとくる
そして銀時の事を聞き万事屋だと知る
「よろずや」
「そうそう」
「よろずや!お前好きだ!」
「!」
土方の声でつげられ思わず息を呑む
「よろずやこの星では好いた者にこう言うのだろ?」
「へ?あ、ああ、そうそう、好きだとか愛してる~とか」
「あいしてる?そうか、よろずや!あいしてるぞ!」
「ヒュッ」
「こんな感じか?」
「~~~!」
それを見ていた土方が慌てて止めに入るが如何せん声が出ない為何の抑止力にもならない。
「オタクの警備員さんなんか言ってけどそんなの無視してこれ読んで」
「何だ?えー…私土方十四郎は坂田銀時様の奴隷として一生仕えます。何だこれは?」
「───!」
「あー?聞こえませーん。安心しろよ、言質はとった。ちゃんとおめェの声で言ってっから、無効じゃありませーん」
「───!」
どういう仕組みで声が行き来するのか問うと、第二王が貝に声を吹きかけると音が吸われ貝に土方の声が収まる。その貝の声を銀時に吸わせると銀時の声から土方の声がダブルサウンドで聞こえる。
なんじゃこりゃぁぁぁと驚く銀時は勢いのまま貝を叩き割ってしまい土方の声が戻せなくなる
何とか土方のボイス音は抑えることができる
声を戻すには貝が無い為直接相手にキスして戻すと教える王子
貝は国宝でありバレたら国際問題だと
持ち出したのも秘密だった王子
親に黙ってるかわりに土方たちにバレずに声を戻すしかないと言う王子
「チコン貝しかり宇宙の貝にゃ碌なもんがねぇ」
土方には貝で声が戻ると言ってしまっている為困った銀時
しかし土方なら理解してくれるだろうと声を戻す方法を伝える
「───ッッッ!!」
しかし盛大に拒絶
泣きそうになりながら拒絶する土方に何でいやがんの?とショックを受ける銀時
「俺ぁちゃんと歯ぁ磨いてっけど?!何がやなんだよ、何カマトトぶってんだ!おめェが銀さんの事好きだってのはもうバレてんだからな!ちゅ、ちゅうっつったって声戻すだけじゃねぇか。あー!もう、何言ってっかわかんねぇんだって!」
何でわからない
何で伝わらない
泣くまいと堪えて睨む土方
〈お前から軽々しくすんじゃねぇ!馬鹿にすんな!テメェなんか…テメェなんか…〉
土方からキスをする
「ひじっ…」
「てめェなんざそういう意味で好きじゃねぇから安心しろ」
「へ?あっ…おめ…声」
「人工呼吸だ」
「は?」
「それくらい割り切れる。他の依頼でも二度と軽はずみな事すんな」
お前から動いてしまったら、お前に惚れてる奴が本気にしてしまうだろう。
俺のように。
こんな惨めな事があるか。
銀時は相手を思って真面目に対応した結果だろうがそれは余りにも酷いじゃないか。
一人になった土方の側に寄る王子
ほんとうにわからない?
言語がないとほんとうに伝わらない?
君たちは言葉がなくとも伝わってたように見えてたけどな。
それは当たり前だ。こんだけの長い腐れ縁だから。それは自分でなくとも新八や神楽相手でも同じだ。
「唄を忘れたちゅん四郎くんじゃねぇの」
「何だそりゃ」
「ちょっと天人の船に銀さんの櫂で海にでも行く?」
「わけわかんねぇこと言うな」
忘れたい
お前へのこの熱を
「俺の事避けてねぇ?」
「避ける程親しい距離じゃなかったろ」
「そう?俺ァ…寂しいんだけどね。せーっかくおめェとキスまでしたのに無かった事にされてよ、思わせぶりなのね副長さんは」
「どっちがッ…!いや…もういいだろ…勘弁してくれ…」
やれやれと銀時は強引に土方を路地裏に連れ込みキスをする
舌を絡めキスをしたあと拒絶する土方を後ろ手にし壁に押し付け銀時も後ろから密着
グリッと硬い物があたる
「俺ぁキスしなきゃいけねぇとかそういう依頼なら受けねぇよ。どうにか別の手段探すさ。後々面倒くせぇ事なんか御免だからな。けど、それがどうにもおめェ相手じゃ断われなくてよ。1回箍外れちまうと…抑えきかないもんだよなぁ?もう何年も片想いしてたからよぉ。これでも我慢してんだけど」
「なっ…なっ…」
「言葉なんざいらねぇだろ?むしろ言える?今更こっ恥ずかしくて逆にギクシャクしちゃうよ。なんて言やいいんだよ。好きだよって?いやいやキャラじゃねぇってそんな銀さん好き?」
「き…嫌いじゃねぇ…」
「だよなー?嫌いじゃねぇって…え?」
「とりあえず…はな…離れろ…当たってんだよテメェのナニが」
あの時は銀時の目も見れなかった
今ならちゃんと意思疎通が出来そうだ
この男の目は
いざと言う時煌めくのだから
「てめェが他人の気持ち踏み躙るような男じゃねぇのは…知ってた筈なのにな…悪かった…」
「あん時おめェテンパってたもんな」
「天パはてめェだ」
「そういう意味じゃねぇよ!おめェほんと昔から人の話聞かねぇし自分勝手に妄想して先走っちまうとこ気を付けた方がいいよ?先走りはちんこだけにしと…グハッ」
「最低」
「いやいやまじで。おめェ俺がいなきゃダメなとこあるかんね」
「うるせぇ…なら、何度でも止めに来りゃいいだろ…」
「そうね、わからセックスしときゃいいね」
「渡良瀬区?」
「…土方?そういうとこだぞ。…とりあえず、もう1回言った方がいいわけ?クソ恥ずか死ねるんだけど」
「ん?ああ、無駄に流しちまったからな、俺から言う」
「お?」
「ずっと、前からてめェに惚れてる。好きだ、万事屋の坂田銀時が」
「俺も、身体の関係になりたいんで付き合って下さい」
「てめェは…」
「好きあってるだけじゃ出来ねぇだろ!おめェがセフレなんてねぇだろ!なんの為に今迄の平穏な関係ぶち壊してまで先に進もうと思って…」
「分かった!声でけぇから!それも含めて…お前を貰ってやるから」
「っ…おめェよォ…もういい?路地裏でもヤッていい?」
またキスをしてくれるのか?と土方は期待と歓喜でドキドキしながら問えば銀時の顔がスンとなった。
土方の腕を掴むとラブホ街へと駆け出した。
言葉でも伝わらないもどかしさはある
そんな時は態度で示せ