主と一日デート権『主と一日デート権』
そう、縦書きの墨で書かれた紙1枚が、一文字則宗の手に乗っていた。
昨晩この本丸の刀剣男士達で開いた宴に参加した際、プレゼント交換会なるものが催された。その結果、則宗の手元に渡ってきたのがこの紙であった。
ちなみに、主はこの宴会には参加していない。この紙を持ってきたのは、許可は得て来たと楽しげに話す鶴丸国永だ。
会が散じて皆がぼちぼちと部屋へ引き取るなか、「一文字の御前に渡るとは、お前さんもなかなか"持ってる"な」と鶴丸に言われた。
そう、則宗本人も特に隠していないが、彼は主であるこの本丸の女審神者を特別に想っているのだった。
デート。
則宗は縁側に腰掛け、さてどうしたものかと考える。何しろ彼が惚れている審神者という女は恋愛に対して鈍感…というか特殊な感性を持っている。
1901