酒盛り 小さな炬燵の天板の上にはワイングラスと缶麦酒、幾つかの軽いつまみが並んでいる。
吸血鬼退治人と差し向かいで炬燵に座ってブラッドワインを嗜む高等吸血鬼とはシュールだなぁと笑いあったのは夕食を終え暫くしてから。
明日ロナルドは退治人稼業は休業で、執筆の締切も無い完全な休日だ。
本来退治人は休日とあっても火急の退治依頼があれば対応しなければならないが、ここ最近のロナルドの仕事ぶりを見かねたギルドマスターが完全休養を言い渡したのだ。余程の事態でもなければ緊急要請が入ることはない。
ならば久し振りにアルコールを飲もう、そう言ってロナルドは少し高い缶麦酒を買い込んだのだ。
どうせならとドラルクもほんの少し高いブラッドワインを開け、小さな酒宴が開かれた。
2358